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On the Production
by 井口健二
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■JAPAN CONTENT SHOWCASE[烈火英雄、ひとくず、恋の豚、星屑の町、白蛇・縁起]+(太陽の家、デニス・ホッパー/狂気の旅路、ラストムービー)
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※
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<JAPAN CONTENT SHOWCASE 2019>
今回は東京国際映画祭に先立って開催された映画の見本市に
おいて上映された作品から紹介します。
“烈火英雄”
港湾地区の石油タンクと化学物質の貯蔵タンク群で起きた大
規模火災を巡って、自らの命を賭してそれに対処した消防隊
員たちの活躍を描いた実話に基づくとされる中国作品。
実は日本語字幕なしで、中文字幕と英語字幕を何とか読んで
鑑賞した。
プロローグは古い商家の火災。店主から上階にいる娘を助け
てくれと言われた消防隊長の主人公は、果敢に火中に飛び込
み娘を救い出す。ところが鎮火したはず店内に検分に行った
新人が突然のガス爆発で殉職。責任を問われた主人公は隊長
職を解かれてしまう。
こうして世間からも非難の視線を浴びることになってしまっ
た主人公だったが…。そこに港湾地区の倉庫街からの出火の
報が入り、その規模から消防隊を2班に分けることになった
消火活動では、火災の際まで突入する班の指揮が主人公に任
される。しかしそれは予想もつかない事態となる。
これに結婚式場から駆け付ける新婚消防士カップルの姿や、
海水を汲み上げて消火するためのポンプの操作。さらに指令
本部の人間模様など。また消防士らの家族も含む市民の緊急
事態に直面した様々な行動の様子が描かれて行く。
出演は、2019年5月19日題名紹介『CROSSING』などの黄暁明
(ホアン・シャオミン)、他に杜江、譚卓、楊紫、欧豪らが脇
を固めている。監督は香港映画でラヴコメの名手と言われた
陳国輝(トニー・チャン)が担当した。
物語は、内モンゴル出身の公安作家バルジ原野の長編ノンフ
ィクション「最深的水是涙水」を原作とするもので、これは
2011年7月16日に大連で起きた大規模火災事故を取材したも
ののようだ。しかし日本人には2015年に起きた天津浜海新区
倉庫爆発事故も思い出される。
日本企業も多大な被害を受けた2015年の火災は、周辺住民を
含む死者165人、行方不明者8人、負傷者798人の惨事となっ
たものだ。その火災では化学物質の誘爆で被害を広げたもの
だが、本作によるとその前に起きた大連の火災ではそれが食
い止められていたというのは意外だった。
それはともかく映画は上映時間約2時間のほぼ全編に亙って
火災シーンが連続するもので、正に中国映画界のCGI=VFXの
実力が試されるような作品。様々な形態の火災シーンやそれ
に絡む人間たちの手を変え品を変えてのアクションは、この
手の作品の集大成といった感じもする作品だ。
本国では8月1日に公開された作品で、日本公開は決まって
いないようだ。

『ひとくず』
関西でテンアンツという劇団を主宰する上西雄大の脚本、監
督、主演で、児童虐待の現実を描いた作品。
映画の開幕は薄暗いマンションの一室。ドアの外側にもカギ
が付けられ脱出不能の部屋に、幼女が1人で母親を待ってい
る。しかし何日も留守らしく食べるものもなく、裂き開いた
ケチャップのチューブも舐め切ったような状態だ。
そこに突然窓ガラスが破られ男が入ってくる。男は室内を物
色して去ろうとするが、幼女の手の甲や体に残る火傷跡から
自らも体験した児童虐待の記憶が甦り、幼女を放っておけな
くなる。そこで食べ物を持ってきたりし始めるが…。
やがて母親が愛人と共に帰宅し男は彼らと対峙するが、それ
がとんでもない事態を招くことになってしまう。
出演は上西の他に、小南希良梨、古川藍、徳竹未夏。さらに
田中要次、木下ほうか、菅田俊、工藤俊作、谷しげる、堀田

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10月27日(日)
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