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On the Production
by 井口健二
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■GHOST MASTER(CLIMAX、バウハウス…、淪落の人、ひつじのショーン、テルアビブ・オン・F、だってしょうがない、家族を想う、THE UPSIDE)
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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『GHOST MASTER/ゴーストマスター』
黒沢清監督に師事したという父親はアメリカ人で母親が日本
人のヤング・ポール監督が、「TSUTAYA CREATORS' PROGRAM
FILM 2016」にて準グランプリを獲得した長編デビュー作。
物語の背景は、とある学校の教室で行われている「壁ドン」
青春映画の撮影現場。そこには若い主演者の男女優と共に、
監督、プロデューサー、助監督らの撮影スタッフ。さらに共
演女優やベテランの男優とその付き人らも揃っていた。
ところがクランクアップ寸前になって主演男優が自分の役柄
に疑問を呈し始める。そのため撮影は中断、現場を飛び出し
た主演男優が姿をくらます。そこで監督に命じられた助監督
が後を追って探しに行くが…。
実はその助監督は自らが執筆したホラー映画の脚本で監督を
目指しており、先に共演女優に出演依頼して断られていた。
そんなもやもやした気持ちで校舎裏にいた主演男優を見付け
た助監督は思わず自筆の脚本を突き付ける。
ところがそこで脚本の怨念が具現化し、さらに主演男優に取
り憑いた怨念は主演男優を変貌させて暴走を始める。
出演は三浦貴大、成海璃子。さらに2019年9月8日題名紹介
『初恋ロスタイム』などの板垣瑞生、2017年6月4日題名紹
介『便利屋エレジー』などの永尾まりや。他に手塚とおる、
麿赤兒、篠原信一、川瀬陽太、柴本幸、森下能幸らが脇を固
めている。
監督との共同脚本は『東京喰種 トーキョーグール』などの
楠野一郎。特殊スタイリストとして同じく『東京喰種』など
の百武朋が参加している。
撮影のバックステージということでは、2018年4月22日題名
紹介『カメラを止めるな』も思い出すが、本作の企画提出は
上記の2016年だから影響を受けている訳ではない。とは言え
タイミング的にはその流れで行ければ良いかな?
もっとも『カメ止め』の出演者がほとんど知らない人ばかり
だったのに対して、こちらの出演者には有名な俳優が揃って
いる。それにしても成海がホラー映画(?)と思ったが、元々
彼女の映画デビュー作は『まだらの少女』だった。
その成海の役柄は有名アクション俳優を父親に持つ2世女優
というものだが、その相手役に三浦というのもなかなか気の
利いたキャスティングだ。撮影中に役作りなどの意見交換は
したのだろうか。
その2人にはかなりヘヴィなメイクアップも施され、その他
の特殊造型にもいろいろ見どころのある作品になっている。
また劇中にはいろいろな過去作へのオマージュも鏤められ、
観ながら心地よく楽しめる。映画愛に溢れた作品だった。
公開は12月6日より、東京は新宿シネマカリテ、アップリン
ク吉祥寺他にて全国ロードショウとなる。

この週は他に
『CLIMAX クライマックス』“Climax”
(2010年3月紹介『エンター・ザ・ボイド』などの鬼才ギャ
スパー・ノエ監督が、2018年カンヌ国際映画祭の監督週間に
出品して物議を醸したという作品。1996年の雪に閉ざされた
郊外の体育館で、激しいリハーサルを打ち上げたダンサーた
ちがパーティを開く。しかしそこで供されたサングリアには
LSDが混入されていた。そしてハイになった彼らの狂乱が
始まる。先の紹介作品もそうだったがノエ監督にはドラッグ
に対する憧憬が深いのかな。その割には歪んだ結末が何とも
言えなくなってしまう作品だ。単純にドラッグ批判と取って
も良いが、そうではないひねくれた感情も隠されているかも
しれない。出演は、2017年8月27日題名紹介『アトミック・

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10月20日(日)
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