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On the Production
by 井口健二
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■T-34 レジェンド、ホテル・ムンバイ(ラブゴーゴー、SHADOW影武者、ザ・ヒストリー・オブ・シカゴ、アルツハイマーと、ジョン・ウィック3)
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
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『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』“T-34”
2017年12月10日題名紹介『バーフバリ王の凱旋』を手掛けた
ロシアのFilm Direction FX がVFXを担当した第2次世界
大戦が背景の戦車アクション。
舞台は第2次大戦の独ソ戦におけるチェコ戦線。ソ連軍の士
気はかなり下がっており、戦車部隊は動く車両もまばらで整
備も行き届いていなかった。そんな中に食料の輸送トラック
でドイツ戦車を振り切ってきた運転手が現れる。
そして元々が戦車乗りだった男は、朽ちかけていたT-34戦車
を整備して撤退時の最後の守りとしてドイツ軍に立ち向かう
ことになるが…。戦車部隊を相手に大善戦はしたものの遂に
数人の仲間と共に捕虜になってしまう。
こうして連れて行かれたドイツ軍の捕虜収容所では、試射場
に捕虜を載せた戦車を置き、それを実弾射撃の標的とする戦
車隊の訓練が行われていた。それは当然の如く捕虜に死をも
たらすものともなっていた。
そんな収容所に拿捕された最新型T-34の運ばれてくる。そこ
で収容所の所長は主人公らに戦車の整備を命令し、実戦さな
がらの戦車戦の訓練を行おうと考える。一方、主人公らは兵
士の遺体と共に埋められた数発の砲弾も手に入れる。
斯くして絶体絶命からの脱走計画が開始される。
脚本と監督は、2005年に『アルティメットウェポン』という
作品が紹介されているアレクセイ・シドロフ。なお製作には
2013年9月紹介『遥かなる勝利へ』などのニキータ・ミハイ
ロフ監督が名を連ねている。
出演は「カリコレ2017」で上映『アトラクション制圧』でも
共演のアレクサンドル・ペトロフとイリーナ・ストラシェン
バウム。他に2016年『ジェイソン・ボーン』などのヴィツェ
ンツ・キーファーらが脇を固めている。
物語は実話に基づくとされており、同じ実話からは1964年に
ソ連のレンフィルムで製作された『鬼戦車T-34』“Жаво
ронок”という作品もあったようだ。因に同作はカンヌ
国際映画祭コンペティション部門に出品されている。
本作はそのリメイクとはされていないものだが、両方を観た
人によるとかなりオマージュのようなシーンも観られるとの
こと。ただし旧作はかなり詩的で幻想的でもあったそうで、
本作ではそれがアクションになっているとのことだ。
そこでそのアクションだが、映画に登場するT-34は全て実機
だそうで、それが草原や町中を走り回るシーンはそれだけで
も充分な迫力がある。そこにVFXを駆使した戦闘場面とな
るものだが。
砲弾がかすった時の車両内部の音響のもの凄さなど、それは
今まで観てきた戦争映画の中で考えもしなかった迫力のシー
ンが満載で、これはアフガニスタンなどでの戦車戦を体験し
てきた国民には敵わないという感じだった。
その一方で、街中で3方を固められた時の戦法などには、シ
ミュレーションゲームを観ているような面白さもあり。さら
に飛び交う砲弾のVFXでの映像化などは近年のこの手の映
画の面白さも満喫させてくれた。
上記のカンヌ映画祭の出品作は当時的な反戦の意味合いも強
いものだったようだが。本作ではそれをエンターテインメン
トに振り切って、これはこれとして見事な作品に仕上げられ
ている。
最近の架空戦記映画ではロシア軍が悪役にされることが多い
が、それに対するロシア映画界からの回答は、ロシア国内で
800万人動員のNo.1となるメガヒットを記録したそうだ。
公開は10月25日より、東京は新宿バルト9他にて全国ロード
ショウとなる。


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07月21日(日)
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