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On the Production
by 井口健二
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■ROMA ローマ、麻雀放浪記2020
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※今週は10連休中で試写会が無かったので、公開に際して※
※のマスコミ試写が行われなかった作品の中から、劇場で※
※観て気になった2作品について少し書くことにします。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
※スマートフォンの場合は、画面をしばらく押していると※
※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※
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『ROMA ローマ』“Roma”
アルフォンソ・キュアロン監督が Netflixで制作し、2019年
のアメリカアカデミー賞で外国語映画賞、監督賞、撮影賞を
受賞した作品。
本作は昨年の東京国際映画祭でも上映されたが、その際にも
マスコミ向けの試写は行われず、本上映のチケットも一瞬で
売り切れてしまった。さらに2019年3月9日からの劇場公開
に向けた試写も行われなかったものだ。
しかし重要な作品と思われるので劇場で鑑賞した。公開済み
なので物語の詳細は割愛するが、語られているのはキュアロ
ン監督の思い出に基づくもの。監督は1961年生まれだから、
背景が1971年のこの物語は、彼が10歳ごろのことになる。
当時のメキシコは1968年オリンピックと1970年FIFAワールド
カップが開催された後で、壁には貼り残されたポスターなど
も見て取れる。しかし映画の中でほとんど言及がないのは、
10歳の少年には関心が湧かなかったのかな?
それに対して主人公一家が映画を見に行くエピソードでは、
その作品がジョン・スタージェス監督の1968年アメリカ映画
『宇宙からの脱出』“Marooned”であったことまでしっかり
描かれている。
実はこの作品は、キュアロン監督が1回目のアカデミー監督
賞を受賞した2013年『ゼロ・グラビティ』の元ネタとも言わ
れていたもので、本作ではその作品へのリスペクトを表した
と言えるのだろう。ファン的には嬉しい話だ。
それと物語の中ではもう1点、映画の後半で一家が訪れる海
も気になった。
キュアロン監督の作品で海というと2002年6月紹介『天国の
口、終りの楽園』も印象に残るが、その作品にも女性の生き
方みたいなものが描かれており、監督にとっての海と女性の
関係がこんなエピソードに基づくのかと思ったものだ。
因に本作に登場する海岸は、Tuxpanというメキシコ湾に臨む
東岸。それに対して『天国の口』で主人公たちが訪れるのは
Boca del Cieloという南部の太平洋岸だそうだ。何となく同
じ場所かなとも思ったが、そうではなかった。
あとは技術的な指摘を1点。本作の撮影に用いられたカメラ
はディジタルで、ARRI社製のALEXA 65というもの。このカメ
ラの解像度は6.5Kで、いわゆるHiVisionの2Kや、最近話題
の4Kを超えるものだそうだ。
ここでディジタルとフィルムの比較を行っておくと、2Kの
画質はフィルムの16o相当をされており、4Kで35o相当。
従って70oの画質を得ようとすると8Kが必要ということに
なる。
これだけ書くと70mmに劣っているように見えるが、フィルム
の感光材の粒子が個別のフィルムごとにランダムであるのに
対して、ディジタルの撮像素子の画素の位置は固定。これが
画面のちらつきに対しては有利に働く可能性がある。
ここで、昨年70mmフィルムでの上映が話題になった『2001年
宇宙の旅』について触れておくと。同作では「宇宙で星は瞬
かない」という原則から70mmで撮影された映像を35oに焼き
付ける際に、粒子のずれによって生じるちらつきを考慮して
小さい星をマスクで消したという話もある。
ところがこれがディジタルの場合には、画素の位置が固定で
あるために、粒子のずれによって生じるちらつきの恐れはな
い。つまり粒子のサイズの比較だけでない利点が生じる可能
性もあるのだ。
もちろん画素が直線に並んでいることにより、水平に近い線
がスクリーン上でちらつくなどの別の問題はあるが、解像度
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05月06日(月)
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