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On the Production
by 井口健二
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■パラレルワールド・LS(ニューヨーク公共図書館、魂のゆくえ、うちの執事が言うことには、としまえん、氷上の王、パージEX、ハロウィン)
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
※スマートフォンの場合は、画面をしばらく押していると※
※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※
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『パラレルワールド・ラブストーリー』
2017年7月紹介『ナミヤ雑貨店の奇跡』や、2018年9月2日
題名紹介『人魚の眠る家』など多数の映画化もあるベストセ
ラー作家東野圭吾が1995年に発表した、1996年「このミステ
リーがすごい!」で第24位の作品の映画化。
主人公は山手線で通っていた学生時代、並行して走る京浜東
北線の車中に立つ女性を目に留める。その後は同じ時間、同
じ車両の同じ位置に乗ることを続け、何度か視線が交差する
ときもあったが…。
卒業式の日、思い切って京浜東北線に乗り換えた車両に彼女
の姿はなかった。そして並行して走る山手線の車中に彼女を
見付けた主人公は次の駅で乗り換えるが、彼女に会うことは
叶わなかった。
そして数年が経った時、主人公は幼い頃からの親友で今も同
じ職場で働く男性から恋人ができたと報告される。その親友
には身体障害があり、そんな親友の報告に喜ぶ主人公だった
が、彼が連れてきたのは車中の彼女だった。
ところがその親友の研究テーマを知った日、主人公は彼女と
同棲している世界に紛れ込む。その世界で親友はアメリカの
研究所に招かれ、研究を続けているはずだった。しかし音信
が途絶え、主人公の周囲で謎めいた事象が起き始める。
出演は、ジャニーズ「Kis-My-Ft2」の玉森裕太、2018年6月
紹介『パンク侍』などの染谷将太、2018年8月26日題名紹介
『音量を上げろタコ!』などの吉岡里帆。他に筒井道隆、石
田ニコル、田口トモロヲらが脇を固めている。
監督は2012年『宇宙兄弟』などの森義隆。脚本は2017年4月
23日題名紹介『イイネ!イイネ!イイネ!』などの一雫ライ
オンが担当した。
実は、試写を観終った直後は物語の展開があり得ないのでは
ないかと考えていた。それは親友の行為があまりに無責任と
感じたからだ。しかしじっくりと考えた末に、事件の首謀者
が別にいること気付いた。
そのヒントや伏線がどれほど仕込まれていたかは、1回観た
だけでは不明だが、その展開なら辻褄が合う。とは言うもの
の、映画の中ではもう少し説明があっても良いのではないか
な? そんな風には考えてしまった。
それと事件の首謀者が主人公の2人以外にいるというのは、
少しルール違反のようにも感じる。勿論そこに伏線があった
のであればこれもOKだが。そして主人公を守るという意味
ではよくできた物語だ。
東野の原作では前に観た『人魚の眠る家』もそうだったが、
最先端技術の危険性を問うという意味では面白い作品だ。し
かもその技術を行う者の立場を守る点は理解ができた。これ
には東野自身が技術者出身という経歴もあるのだろう。
僕自身も技術系の出身者として納得のできる作品だった。
公開は5月31日より、東京は新宿ピカデリー他で全国ロード
ショウとなる。

この週は他に
『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』
        “Ex Libris: New York Public Library”
(吉田秋生原作アニメの舞台になって新たなアニメの聖地と
もされる文化施設を、2018年8月19日題名紹介『ジャクソン
ハイツヘようこそ』などのフレデリック・ワイズマン監督が
描いたドキュメンタリー。前作と同様のナレーションを排し
た映像と現場音だけで構成される作品だが、その内容には圧
倒される。1911年に設立され、市当局とカーネギー財団など
の支援により市内全域に92の施設を擁するその規模は、正に
世界の図書館の鑑と言えるもの。そしてその中では単に書籍

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03月17日(日)
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