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On the Production
by 井口健二
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■アンフレンデッド:DW、移動都市(僕たちは希望、ビューティフル・B、僕の彼女、アラフォー、ナイトC、笑顔の、イメージの本、ヨーゼフ・B)
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
※スマートフォンの場合は、画面をしばらく押していると※
※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※
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『アンフレンデッド:ダークウェブ』
               “Unfriended: Dark Web”
全編がパソコンの画面だけで展開されるホラー作品。本作は
2016年公開作品の続編とされているが、内容的には独立して
おり、前作を未見の僕にも問題はなかった。
主人公は入手した中古のラップトップPCを使ってskypeに
アクセスし、仲間とのゲームに興じようとした若者。ところ
が表示された以前の持ち主と思われるアカウント名を自分の
アカウントに書き換えてアクセスを始めると…。
PC内に盗撮や監禁された女性の姿などおぞましい映像を集
めた隠しファイルが発見され、その直後「俺のPCを返せ、
さもないとお前たちは死ぬ」というメッセージが届く。実は
主人公のPCは街で窃取してきたものだったのだ。
そしてメッセージの主はネット仲間の居所を特定するなど、
徐々に主人公を追い詰め始める。図らずもネット犯罪組織に
関ってしまった、その恐怖に包まれた状況が限定された画面
上だけで描かれて行く。
前作はもっとオカルト寄りの話だったそうだが、本作では正
に現実に起こり得る恐怖を描き尽す。
出演は、スティーヴン・ソダーバーグ監督の新作にも出てい
るコリン・ウッデル、2017年4月紹介『パージ:大統領令』
などのベティ・ガブリエル。
他に後日紹介予定『ドント・ウォーリー』などのレベッカ・
リッテンハウス、今回次に紹介する『移動都市』などのアン
ドリュー・リースらが脇を固めている。
また主人公のガールフレンド役のステファニー・ノゲーラス
は、テレビシリーズ“Grimm”などにも出演する実際に重度
の聴覚障害者の女優だそうだ。
脚本と監督は、2004年『THE JUON/呪怨』、2006年『呪怨パ
ンデミック』などの脚本を務め、本作で監督デビューを飾っ
たスティーヴン・サルコ。本作ではシチュエーションを巧み
に使って恐怖を高める。正に王道のホラーだ。
製作は前作に続けて、2009年12月紹介『パラノーマル・アク
ティビティ』などのジェイスン・ブラムと、2012年8月紹介
『リンカーン/秘密の書』などのティムール・ベクマンベト
フが担当している。
PCの画面だけで展開されるホラー・サスペンスは前例がな
い訳ではないが、本作では正に誰しもがそこに巻き込まれる
可能性がないとは言えない…。そんなリアルな恐怖感に襲わ
れる作品だ。
また本作では、設定上登場人物の顔面のアップばかりが続く
画面になるが。2018年12月紹介『コンジアム』で指摘した周
囲が見えないことの弊害はなく、却ってそれが恐怖を煽る演
出は見事と言えるものになっている。
さらにそこに外景などが挿入される構成も巧みだった。
公開は3月1日より、東京は新宿シネマカリテ他で全国順次
ロードショウとなる。

『移動都市 モータル・エンジン』“Mortal Engines”
イギリスのSF作家フィリップ・リーヴが2001年に発表した
長編デビュー作で、翻訳本が2007年の日本SF大会でファン
選出による星雲賞を受賞した終末未来SFの映画化。
その映画化を『LOTR』のフラン・ウォルシュ、フィリッ
パ・ボウエン、ピーター・ジャクソンの製作、脚本。同作や
2005年『キング・コング』(オスカー受賞)のVFXを手掛け
たクリスチャン・リヴァースの監督デビューで実現した。
物語の背景は、究極兵器の使用により地球のほとんどが60分
間で破壊された未来世界。そこでは移動装置に載った都市国
家が地上を蹂躙し、特に大都市のロンドンは資源を求めて、

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02月03日(日)
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