ID:47635
On the Production
by 井口健二
[459691hit]

■ダルライザー、まく子、マイ・ブックS(多十郎、ビール・S、イップ・マン外伝、12か月の、盆唄、眠る村、天国でまた、ウトヤ、バーニング)
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
※スマートフォンの場合は、画面をしばらく押していると※
※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
『ライズ ダルライザー−NEW EDITION−』
新年の1本目は、2018年12月23日に題名紹介した作品だが、
再度鑑賞して何カ所か気付いたところもあったので、改めて
紹介させてもらう。
映画は福島県白河市のご当地ヒーローが町の支配を狙う悪と
戦うアクション作品。
主人公は東京で挫折した俳優志望の男性。糟糠の妻の妊娠で
田舎に還り再起を図るが実業家の父親には疎まれる。しかし
自らデザインしたご当地ヒーローのコスチュームで少しずつ
認知されるようになるが…。
一方、町では謎の団体が陰謀を進めていた。それは市民に無
料で配布された器具を使って市民の思考を支配しようとする
もの。その危機を察知した主人公は、町で暮らす武術家を師
と仰ぎ、会得した技で悪との戦いを決意する。
原作・製作・主演は地元出身の和知健明。脚本と監督は日活
芸術学院卒業で、現在は大学で教鞭も執る佐藤克則による、
本作が長編デビュー作となっている。また武術指導を2005年
『バットマン ビギンズ』などに採用の格闘術KEYSIの創始者
フスト・ディエゲスが初来日で担当し、出演もしている。
その他の出演者は、主に舞台で活躍の三浦佑介、山口太郎、
山浮ウやか。さらに2015年『リアル鬼ごっこ』などの桃菜、
2017年1月15日題名紹介『真白の恋』などの佐藤みゆきらが
脇を固めている。
ヒーローの名前は白河市の特産品とされるダルマを基に、ダ
ルマの代名詞である「七転び八起き」の起きる=riseを併せ
て命名されているそうだ。それに対する悪の組織のダイスは
dice=骰子で、こちらは転がって止まったら動かないもの。
これは中々洒落たネーミングだ。
そして作品のコンセプトは、どんな困難からもめげずに立ち
上がること、となっているものだ。
ところで、映画では原作が製作、主演の和知。脚本は監督の
佐藤とクレジットされているものだが、実際の物語はどちら
の発案なのかな。実はこれがSF的にはかなりしっかりと作
られていて、相当に好きな人の作品と思えるのだ。しかも展
開に破綻も少ない。
特にキーとなるハル(!)の存在と、陰謀との関りも上手く
繋げられているし、そこから逆転して行く展開も、これなら
SFファンとしても納得できるものとなっていた。
また造形では、1926年『メトロポリス』を髣髴とさせるもの
もあるなど、ファン的には見所も多い作品だ。因にこの造形
では2018年に開催された第1回タイ国際映画祭での受賞も果
たしている。
この他に映像では、カットの切り替えでの俳優の動きなどが
細かく演出されているなど、さすが大学で教えている監督の
作品と思える面もあり、このように周到なところがSF映画
には向いていると判断もできたところだ。
完璧に完結している本作の続編は希望しないが、新たに別の
SF作品には挑戦して欲しいとも思えた。
公開は2019年3月9日より、東京は池袋シネマ・ロサ他で全
国順次ロードショウとなる。

『まく子』
直木賞作家の西加奈子が受賞翌年の2016年に福音館書店から
発表した同名小説を、2016年8月28日題名紹介『うつろいの
標本箱』などの鶴岡慧子脚本・監督で映画化した作品。
主人公は、温泉街で旅館の経営者を両親に持つ小学5年生。
母親は働き者の女将だが、料理人の父親には浮気癖があり、
店を抜け出しては女に会いに行く。そしてその現場を目撃し
た主人公には大人への不信感が植え付けられ、そのため大人
にはなりたくないと思っていたが…。
そんな主人公のクラスに不思議な魅力を持った美少女が転校

[5]続きを読む

01月13日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る