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On the Production
by 井口健二
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■マイル22、クマ・エロヒーム(ねことじいちゃん、世界でいちばん悲しい、バジュランギ、ホイットニー、あまのがわ、ひかりの歌、ともしび)
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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『マイル22』“Mile 22”
2017年3月26日題名紹介『パトリオット・デイ』などのピー
ター・バーグ監督と主演マーク・ウォルバーグが4度タッグ
を組んだアクションサスペンス。
開幕は郊外の住宅地に建つ一軒家。その周囲には主人公を含
む特殊部隊の隊員が配置され、タイミングを計って突入作戦
が敢行される。実はその家屋はロシア秘密機関の隠れ家で、
作戦の目的はそこに居る人員を確保し、身元を確認して彼ら
から情報を聞き出すことだった。
ところが始められた作戦に齟齬が生じ、当初の「確保」命令
は「抹殺」に変更。激しい銃撃戦が展開される中、主人公は
逃亡を図った1人を殺害する。さらに建物も跡形もなく破壊
されて部隊は撤収。作戦は隊員1人を失ったものの、後には
証拠も残さず完遂されるが…。
それから16ヶ月後。主人公らの特殊部隊は東南アジアのとあ
る国のアメリカ大使館に集合していた。その国では政情不安
が続いていたが、さらにロシアで盗難に遭った原爆6個分に
相当する放射性物質が持ち込まれ、闇取引が行われるとの情
報がもたらされていた。
そこに、部隊の女性隊員の情報屋だった地元警察の刑事が、
放射性物質の保管場所を示すデータが暗号化され記憶された
ハードディスクを持って大使館に保護を求めてくる。彼の要
求は、亡命を認めてアメリカ行きの飛行機に乗ったら暗号を
解くキーを教えるというもの。
そこで主人公らの特殊部隊に22マイル先の飛行場まで情報提
供者の身柄を移送する命令が下される。しかし政情不安によ
る騒乱の続く街路には様々な障害や、さらには刑事の身柄を
要求する地元警察による妨害も待ち構えていた。しかも騒乱
の中で飛行機が駐機できる時間も限られていた。
共演は、2012年6月紹介『ウォーキング・デッド:シーズン
2』から登場のローレン・コーハンと、2012年8月紹介『ザ
・レイド』などのイコ・ウワイス。彼は本作のアクション・
コレオグラファーも務めている。
さらに初代UFC世界女子バンタム級王者で2015年『ワイル
ド・スピード SKY MISSION』などに出演ロンダ・ラウジー、
2010年2月紹介『ローラーガールズ・ダイアリー』などのカ
ルロ・アルバン、2013年4月紹介『エンド・オブ・ホワイト
ハウス』などのサム・メンディーナ。
他にK-POP 「2NE1」のリーダーだったCL。ジョン・マルコ
ヴィッチらが脇を固めている。
製作総指揮と原案は、人気テレビシリーズ『プリズン・ブレ
イク』などのグラハム・ローランド。脚本は、2013年にアメ
リカ特殊作戦部隊の道のりを描いた小説『11日間』を発表し
たリー・カーペンターと、ピーター・バーグ監督が手掛けて
いる。
監督と主演のコンビでは『ローン・サバイバー』『バーニン
グ・オーシャン』に『パトリオット・デイ』と、実録物が続
いていたものだが、本作はフィクション。それは実録という
手かせ、足かせが取れた分、正しくエンターテインメントの
感覚に溢れた作品だった。
しかもそこには実録物で培った信頼があるのだろうが、正に
最前線で取材されているような現実感に裏打ちされた物語の
展開で、お話自体はかなり破天荒なもののはずなのに、何処
かリアルで震撼とするものになっている。これが現実でもお
かしくない感じもしてしまうのだ。
アクションのバランスも良く、とにかく面白い。これがピー
ター・バーグ監督の新境地とでも言いたくなる作品だ。
公開は2019年1月18日より、東京は新宿バルト9他にて全国
ロードショウとなる。


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12月09日(日)
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