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On the Production
by 井口健二
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■ふたつの昨日、世界一/映画館、メアリーの(ポリスS、ジュリアン、春待つ、ファースト、めんたい、輪違屋、LOVEHO、かぞくいろ、バハール)
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
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『ふたつの昨日と僕の未来』
愛媛県新居浜市市制80周年記念事業として、同市でロケ撮影
が行われたSF要素の強い作品。
主人公は市役所の観光課に勤める若者。地元テレビ局勤めの
恋人がいるが、何となく覇気がない。実は彼はオリンピック
で金メダルが狙えるほどのマラソンランナーだったが、怪我
で選手生命を絶たれたのと、マラソン大会に絡んだ父親の不
慮の死で全てが投げやりになっていたのだ。そして彼は恋人
から破局も言い渡されてしまう。
そんな主人公が地元の史跡である別子銅山を紹介するテレビ
番組の取材のため、大学教授や恋人を含むテレビ局員らと共
に山に入るが…。そこで突然の雨で一行からはぐれた主人公
は雨宿りのため封鎖された洞窟に入ろうとし、入ると同時に
洞窟の口に立って雨も上がっているという体験をする。しか
もその時、彼の脳裡には過去の異なる記憶が生じていた。
その記憶では、彼はオリンピックで金メダルを獲得して地元
の英雄となり、父親も健在で…、半信半疑のまま山を降りた
彼の前には、正にその通りの世界が待ち受けていた。つまり
彼はパラレルワールドに紛れ込んでおり、彼は洞窟を介して
2つの世界を行き来することができ、さらに自分が生きる世
界を選ぶこともできるのだった。
ところがそこで彼は新たな事件を予見してしまう。果たして
彼が選ぶ未来は…。
出演は2018年1月28日題名紹介『honey』などの佐野岳と、
2014年11月紹介『横たわる彼女』などの相楽樹。他に久保田
悠来、宮地真緒、榎木孝明、神保悟志らが脇を固めている。
脚本と監督は、2016年5月22日題名紹介『海すずめ』などの
大森研一。なお脚本は2016年7月31日題名紹介『仮面ライダ
ーゴースト』などの福田卓郎と連名になっているが、2人は
愛媛県の出身のようだ。
単純に過去に戻るのではないパラレルワールドというのは、
SF小説では名作とされる作品も有るが、映画ではあまりな
いのではないかな? 僕としてはそんな新たな分野への挑戦
をそれなりに認めたいと思うものだ。
ただし本作の設定では、両世界の主人公はすれ違わなくては
ならないのだが、この時に相手側の彼はどういう気持ちなの
だろう。その辺を考えるといろいろ悩むところが生じる作品
ではある。SFファンはこの辺がうるさい。
でもまあ本作だけで考えれば話は成立している訳だし、相手
側の気持ちもいろいろ推察できるところはあるもので…。僕
は、それはそれとして評価したいと考える。どう考えれば辻
褄が合うか、それを考察するのも一興だろう。
因に、彼が未来を予見することに関しては問題はない。
公開は11月9日から愛媛県で先行上映の後、東京は12月22日
より、シネマート新宿他で全国順次ロードショウとなる。

『世界一と言われた映画館』
1976年10月29日まで山形県酒田市に実在した映画館グリーン
・ハウスを主題にしたドキュメンタリー。
その映画館は大通りから小路を入った先に在り、洋画専門の
上映館で、回転扉を押して入ると館内にはコーヒーの香りが
漂う。1階ロビーにはバーテンダーのいる喫茶スペースがあ
り、スクリーン前の舞台の縁には生花が飾られていた。
そして上映前には開始ベルの代わりに「ムーンライト・セレ
ナーデ」が流される。また2階には20席程度のシネサロンも
設けられ、そんな映画館は、同館を訪れた故淀川長治氏から
「世界一の映画館」と呼ばれた。
ところがその映画館は、1976年に発生した戦後4番目ともさ

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11月11日(日)
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