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On the Production
by 井口健二
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■ジョニー・E、ヘレディタリー(バグダッド、おとなの、家族のはなし、山中傳奇、快楽の、世界で一、ハード・C、走れ!T、不滅の、夜明け)
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※
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『ジョニー・イングリッシュ アナログの逆襲』
“Johnny English Strikes Again”
2003年8月に第1作を紹介したローワン・アトキンスン主演
スパイパロディシリーズの第3作。因に第2作の『気休めの
報酬』“Johnny English Reborn”は試写を観なかった。
物語は、既に現役を引退している主人公が小学校でスパイ活
動の基礎を教えているところから始まる。その内容は如何に
も前時代的だが、生徒たちの受けは良いようだ。
一方、ロンドンにある主人公のかつての所属先MI7では機
密漏洩が発覚し、緊急時に現役諜報員を使えない事態が生じ
ていた。このため女性首相の一声で引退した元諜報員に召集
が掛かり、主人公もその席に呼ばれる。ところが彼の失敗で
他の諜報員は出動不能になってしまう。
斯くして主人公は、かつての相棒と共に数々の装備を調達し
て出動。機密漏洩の主謀者を追って南仏のホテルに向かう。
そしてそこに絶世の美女が関ってくる。
その頃、ロンドンではサイバーテロによって交通渋滞が多発
し、ネット上でITによる国家管理を謳っていたIT富豪に
救援が求められる。そして富豪はiPadを使ってマジックのよ
うに事態を収拾してしまう。その手腕に英国首相は心酔し、
彼の起用を進めるが…。
ここから後は、物語としては大体想像の付く通りのものが展
開される。その点での意外性は少ないが、コメディとしては
いろいろな仕掛けが満載で、それが楽しめるものだ。
共演は、2008年『007/慰めの報酬』でボンドガールを務めた
2018年6月17日題名紹介『スターリンの葬送狂騒曲』などの
オルガ・キュリレンコと、2013年12月紹介『ウォルト・ディ
ズニーの約束』などのエマ・トムプスン。
他に2017年8月27日題名紹介『人生はシネマティック!』な
どのジェイク・レイシー。また第1作で優秀な相棒役を演じ
たベン・ミラーも再登場している。
脚本は、第1作も担当したウィリアム・デイヴィス。監督は
テレビシリーズを多数手掛けてきたデイヴィッド・カーの映
画デビュー作のようだ。
最近のアトキンスンは、テレビでジョルジュ・シムノン原作
「メグレ警視」を演じるなど、ストレートな演技でも評価さ
れているようだが、そればかりだと肩が凝るのかな。本作で
は正に生き生きとおとぼけスパイを演じている。特にキュリ
レンコとのダンスシーンはキレキレだ。
2007年12月紹介『Mr.ビーン』など彼のコメディは、日本人
には好き嫌いがあるようだが。第1作の紹介でも書いたよう
に本作ではベタな笑いは抑え気味で、比較的真面なコメディ
に仕上げられている。そしてスパイパロディとしてもこれは
悪くない。第4作も期待したくなるものだ。
公開は11月9日より、東京はTOHOシネマズ日比谷他にて全国
ロードショウとなる。(9月16日付未掲載分)
『ヘレディタリー 継承』“Hereditary”
同名の研究誌でも著名なアメリカの映画学校American Film
Institute出身で、2011年から短編映画を発表していたアリ
・アスター脚本、監督による上映時間127分のデビュー作。
主人公は個展を控えたミニチュアハウス制作者の女性。郊外
に建つ家には彼女とその夫、2人の子供に彼女の母親が同居
していたが、実は過去の経緯により、彼女と母親との関係は
あまり上手く行っていなかった。
その母親が死去し、その葬儀には家族の知らない人々が多数
集まってくる。それでも喪主として葬儀は何とか済ませた主
人公だったが、その直後から家族の間に異変が生じ始め、そ
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10月07日(日)
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