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On the Production
by 井口健二
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■single mom、ボクはボク(ピアソラ、おかえり、アラン・デュカス、ハナレイ、ぼけますから、選挙に出たい、Journey、ヨーロッパ横断)
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
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『single mom 優しい家族。 a sweet family』
2011年1月紹介『心中天使』などの内山理名主演で、北海道
ニセコ町を舞台に、シングルマザーとその子供の姿を実話に
基づくエピソードを中心に描いた、少しファンタスティック
な展開もある作品。
主人公は11歳の娘を女手一つで育てている。その経緯は明白
ではないが、夫は外国人でDVもあったようだ。そして親子
はニセコ町の一軒家に住んでいるが、食べるものにも事欠く
状況で、貯金も尽きかけている。しかしプライドが許さない
のか、生活保護の申請は拒絶してしまう。
そんな母親が、自らもシングルマザーだという自治体職員の
アドヴァイスを受け始める。それは親身なものであったが、
その言葉は中々彼女の心に届かない。それでも一歩ずつ進み
始める母親ではあったが…。
一方、娘は偶然立ち入った家に住む、普段は寡黙なミニカー
職人の男性と交流を始める。そして娘はその家の屋根裏部屋
であるモノを発見していた。ところがその後に男性の何気な
い言葉から気を回した娘は万引きを働き、それに気付いた母
親から激しい叱責を受けてしまう。
だがそれは、母親自身がやはりシングルマザーだった自分の
母親から受けた仕打ちの繰り返しだった。
共演は、撮影当時11歳だった長谷川葉音。秋葉原を中心に活
動する鉄道アイドルグループ=ステーション♪のメムバーで
もあるニューフェイスが映画初出演を飾っている。他に石野
真子、木村祐一らが脇を固める。
脚本と監督は、「マツモトキヨシ」の創業者の孫で元衆議院
議員の松本和巳(小泉チルドレン)。48歳で政治活動を休止
し、2013年からは劇団を主宰して若手アイドルタレントの育
成を目指しているという監督の長編デビュー作だ。
実は、上映をベテランの映画評論家の方たちと一緒に観させ
て貰い、上映後の監督とのQ&Aも聞かせて貰った。その際
の監督の発言によると、ミニカー職人の件以外は全て実際に
取材したシングルマザーの体験に基づいているとのこと。
また劇中に描かれるFood loss の運動に関しては、取材して
認識が変ったとのことで、監督自身が現在もその運動に協力
しているそうだ、
ただ僕個人としては、ミニカー職人の件に関連して娘が発見
するモノの来歴が不明確で悩ましかったが。この点に関して
は、出席していた評論家の人から「大林宣彦みたい」という
発言があり、一般的にそういう認識なのだと理解した。その
点がファンタスティックと言える作品ではある。
なお劇中の長谷川の役名がエミリーで、木村扮するミニカー
職人がその名前を呼ぶシーンがあり、僕はそこでもニヤリと
したが、その点は誰も訊いてはくれなかった。
羊蹄山の雄姿など北海道の大自然を写したドローン撮影も素
晴らしく、その中で感動的なドラマが展開される。
公開は10月6日より、東京はヒューマントラストシネマ有楽
町他で全国順次ロードショウとなる。
『ボクはボク、クジラはクジラで、泳いでいる』
2009年10月20日付「東京国際映画祭」で紹介『ザ・コーヴ』
などでも取り上げられた和歌山県太地町を背景にした青春群
像ドラマ。
舞台になるのは「太地町立くじらの博物館」。日本唯一、世
界でも珍しいとされるクジラに特化した博物館には、太地町
伝統の捕鯨文化やクジラの生態を解説する展示と共に、館外
には、クジラのダイナミックな演技が披露されるショウの会
場が設けられている。
しかし観客動員は年々減少し、クジラの飼育員も次々に辞め
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09月30日(日)
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