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On the Production
by 井口健二
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■あいあい傘、赤毛のアン(音量を上げろ、バルバラ、ビブリア、ボーダーL、ライ麦畑、あまねき、ファイティン、心魔師、ういらぶ、死霊館)
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
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『あいあい傘』
2008年5月紹介『同窓会』などの宅間孝行脚本、監督による
ヒューマンコメディ。宅間は2018年2月11日題名紹介『ラー
メン食いてぇ!』などに出演の俳優でもあるが。本作は、彼
が2007年に主宰していた劇団「東京セレソンデラックス」で
上演した舞台劇を映画化したものだ。
物語の舞台は年に一度の祭りを控えた神社の門前町。祭りの
ために全国からテキ屋たちが集まっている。その1人が車で
乗り付けたところに、旅行者と思われる女性が声を掛ける。
妙に親しげな彼女は、彼に街の案内を頼むが…。
その神社の鳥居前には1軒の茶屋があり、そこでカップルが
汁粉を食べると結婚できるとの言い伝えがあった。しかしそ
の店の女将と亭主は苗字が異なり、入籍していないという。
そしてその家には若い娘もいた。
映画の開幕はかなり暗い感じで、そこからの展開が全く読め
ない。ましてや予備知識を入れずに、時節柄コミックス原作
のラヴコメかと思って観ていた僕には、正しく衝撃の展開が
待っていたという感じだった。
実は今回記事の参考にした映画サイトの紹介文には、かなり
詳しく物語の背景が書かれており、僕的にはそれはこの映画
の興味を削ぐ感じもする。この映画は、是非とも予備知識は
入れずに観て貰いたい作品だ。
出演は倉科カナ、市原隼人。他に高橋メアリージュン、やべ
きょうすけ、入山杏奈、原田知世、立川談春、トミーズ雅、
永井大らが脇を固めている。特に市原が巧みな演技で映画を
引っ張っている。
開幕はかなり暗いと書いたが、それは内容だけでなく画面も
含まれる。しかも妙な映像演出が施され、その意味が不明だ
と、それには少しイラつきも感じさせた。しかしそれが最後
に解明され、さらに2段落ちのような仕掛けまである。
これには全く舌を巻くしかなかった。いやはやこういうカタ
ルシスが映画を観る醍醐味と言えるものだ。舞台では不可能
な展開と思うが、オリジナルからこれを編み出した脚本も称
えたい。久し振りに映画を堪能したと言える。
因に舞台劇は立川の役柄の視点で描かれたそうで、それが映
画では倉科の視点に変えられているものだが。自分の年齢で
観ると、やはり前者の思いが気になる。それが役柄の存在感
が薄い中でしっかり描かれているのも見事と言える。
ただし僕の年齢層は最も映画を観ない世代でもあるようで、
その連中にどうやってアピールするかも重要なようだ。個人
的には僕らの世代に向けた極めて優れた作品だと思うので、
是非とも成功させて欲しいものだ。
公開は10月26日より、東京はTOHOシネマズ日比谷他にて全国
ロードショウとなる。
『赤毛のアン初恋』
“Anne of Green Gables: The Good Stars”
『赤毛のアン卒業』“Anne of Green Gables: Fire & Dew”
2017年3月12日題名紹介したL・M・モンゴメリ原作映画化
の続き。この3部作によって、1908年に発表され、後に多数
の続編が創作されたシリーズの第1巻が完結する。
前作経緯で老兄妹の家に暮らすようになったアンは、学校で
最初に大喧嘩をしたギルバートとの確執はそのままに、腹心
の友であるダイアナらと共に大自然に包まれた素晴らしい暮
らしを続けている。
そんな中でアンの気掛かりは、徐々に衰えを見せ始めた養父
マシュウの体調だった。その一方でダイアナの家での外泊や
新任牧師夫妻との交流。さらには学校に新たに来た女性教師
など、様々な出来事がアンを成長させて行く。
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08月26日(日)
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