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On the Production
by 井口健二
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■ちいさな英雄 カニとタマゴと透明人間(ジャクソンハイツヘようこそ、ごっこ、いつもの月夜に米の飯)
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
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『ちいさな英雄 カニとタマゴと透明人間』
スタジオジブリ出身の西村義明プロデューサーが、2017年公
開『メアリと魔女の花』の製作のために立ち上げたスタジオ
ポノック。その会社が新たに手掛けるレーベル「ポノック短
編劇場」の第1弾。
「劇場」は3作で構成され、その1本目は2010年公開『借り
ぐらしのアリエッティ』などの米林宏昌監督が初のオリジナ
ルストーリーに挑戦した「カニーニとカニーノ」。
と言っても、お話は『アリエッティ』に繋がる小さな人が主
人公で、水中を自由に泳ぎながら蟹の爪を道具に小魚を捕え
て暮らしている父親と息子と娘の生活が描かれる。
そして兄がようやく1人で漁ができるようになり、暮らしぶ
りも安定するかに見えたが、彼らを一飲みにする大形魚や、
急な増水など脅威は絶えない。そして…。
一家の母親の行動は沢ガニの生態を基にしているのかな?
でも生物としてのカニ自体は他にも登場しており、その辺は
ファンタシーな登場人物ということのようだ。
声優には2016年2月紹介『スキャナー』などの木村文乃と、
2017年7月紹介『ナミヤ雑貨店の奇跡』などの鈴木梨央らが
起用されている。
2本目は、高畑勲の右腕と言われた百瀬義行監督が2002年に
ジブリで撮って以来の第2作で「サムライエッグ」。
卵アレルギーに苦しむ少年を描いた実話に基づく物語とのこ
とで、かなりリアルにその恐怖と、それに対決する主人公の
勇気が描かれる。
声優には『ナミヤ雑貨店の奇跡』などの尾野真千子、2017年
2月26日題名紹介『破裏拳ポリマー』などの篠原湊大、同年
8月6日題名紹介『ナラタージュ』などの坂口健太郎が起用
されている。
そして3本目は、多くのジブリ作品で作画監督を務めてきた
山下明彦監督の「透明人間」。
登場するのはH・G・ウェルズが創造したような透明人間。
ただし着衣はしているが、顔に包帯を巻くようなことはして
おらず、見るからに透明人間だ。しかも体重もないらしく、
常に消火器などの重いものを持って行動している。
という展開だが、実は彼の存在も「透明」のようで、職場な
どでも無視され、題名自体が寓意なのかとも思わせる。そん
な彼が盲導犬を連れた人物と出会い…。
声優には2017年9月24日題名紹介『エルネスト』などのオダ
ギリジョーと、2013年11月紹介『祖谷物語』などの田中泯が
起用されている。
3作品は、内容の分類ではファンタシーであったり、実話で
あったり、SFであったりとヴァラエティに富んでいるが、
いずれもがある局面で勇気を持つ、ちいさな英雄たちの物語
ということになる。
上映時間も全体で54分というのは、ちょっと映画を観るには
良い作品と言えそうだ。
公開は8月24日より、東京はTOHOシネマズ日比谷、TOHOシネ
マズ府中他で全国ロードショウとなる。
なお25日には日比谷で舞台挨拶。また府中では監督らによる
ティーチインも行われるようだ。
この週は他に
『ニューヨーク、ジャクソンハイツヘようこそ』
“In Jackson Heights”
(2018年3月18日題名紹介『ザ・ビッグハウス』の想田和弘
監督「観察映画」を思い出すような、ニューヨークの下町を
記録したドキュメンタリー。その町は1990年にゲイの若者が
殺されたことに端を発するゲイパレードの発祥地ともされ、
そのためマイノリティに優しく、多国籍化によって167の言
語が話されているとも言われる。ところがそんな町に再開発
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08月19日(日)
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