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On the Production
by 井口健二
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■マルセルの夏/マルセルのお城、かごの中の瞳(ブッシュウィック、ペギー・G、MEG、春画と日本人、愛しのアイリーン、スペースバグ)
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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『プロヴァンス物語 マルセルの夏』
“La gloire de mon père”
『プロヴァンス物語 マルセルのお城』
“Le château de ma mère”
1895年生―1974年没のフランスの小説家、劇作家、映画作家
であるマルセル・パニョルが、1957年に発表した自伝『少年
時代の思い出』を、1961年『わんぱく戦争』などのイヴ・ロ
ベールの脚色、監督により、1990年に2部作として映画化し
た作品。それが4Kリマスターにより再公開される。
その第1部で、小学校教師の父親とお針子の母親を両親に持
つマルセルは、幼い頃から読み書きが出来、学校から名門校
への推薦枠に選ばれる。だが勉強が厳しくなり、母親はあま
り賛成ではないようだ。
そして弟と妹も生まれた9歳の夏休み。一家は伯父夫妻と共
にラ・トレイユ(プロヴァンス)の自然の中に建つ家へとや
って来る。そこで野山で暮らす少年リリーと出会ったマルセ
ルは、大自然の素晴らしさを体感する。
その一方、父親も初めて手にした旧式の猟銃で大きな山鳥の
狩猟に成功するなど自然を満喫して行ったが…。やがて夏休
みも終わりの時を迎える。
そして第2部では、クリスマスと復活祭の休暇にもラ・トレ
イユにやってきた一家。そこでマルセルは少し異様な初恋と
失恋も体験する。それでも母親は毎週末のラ・トレイユ行き
を提案し、ちょっとした策略でそれを実現してしまう。
しかし列車の終着駅から徒歩4時間の道のりは幼い子供もい
る一家にはかなり過酷だった。そんな時、父親の教え子だっ
た運河の管理人に近道を教わるが…。
出演は、マルセル役のジュリアン・シアマーカと、リリー役
のジョリ・モリナス。2人はこの2作以外にはフィルモグラ
フィーが見つからなかった。他には2006年『裏切りの闇で眠
れ』などのフィリップ・コーベール、2007年『屋敷女』など
のナタリー・ルーセルらが脇を固めている。
また第2部には、2003年2月紹介『ロスト・イン・ラ・マン
チャ』などのジャン・ロシュホールが出演している。
原版は1991年の夏と年末に日本でも公開されているが、前編
は好評だったが、後編を観たという人が意外と少なかった。
それは後編を観ると確かに内容がかなりシビアで、少し心が
痛む作品のせいかもしれない。
しかしこれは20世紀初頭の現実なのだし、観客はその悲しみ
もしっかりと受け止めるべきものだろう。海外では第2部の
ポイントを高くしている紹介も多いようだ。
因に原作者の遺体はラ・トレイユの市営墓地に、両親と弟、
妻と共に埋葬されているが、その傍にはリリーの墓もあるそ
うだ。
公開は8月4日より、東京はYEBISU GARDEN CINEMA他にて、
2作同時ロードショウとなる。
『かごの中の瞳』“All I See Is You”
2017年4月9日題名紹介『カフェ・ソサエティ』などのブレ
イク・ライヴリーと、2018年5月紹介『ウィンチェスターハ
ウス』などのジェイスン・クラークの共演で、かなり捻りの
利いた夫婦関係のドラマ。
主人公は幼い頃に両親と同乗した交通事故で視力を失った女
性。夫の仕事の都合でタイで暮らしているが、視覚障害の上
に言葉も通じない生活はかなり大変そうだ。それでも彼女は
懸命に生きている。
そんな時、医師の診断で角膜移植をすれば視力回復の可能性
のあることが判り、しかも早速に手術のチャンスが訪れる。
そして手術は成功し、視力も徐々に回復し始めるが…。
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07月08日(日)
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