ID:47635
On the Production
by 井口健二
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■名前(縄文に、仮面ライダーA、カメラを止、母という名、ルイ14世、明日にかける、バトル・S、レディ・B、30年後、犬ヶ島、ゼニガタ)
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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『名前』
直木賞受賞者で、テレビのクイズ番組などに回答者/出題者
としても登場するミステリー作家の道尾秀介が、書き下ろし
の原案を提供したかなり捻りのあるヒューマンドラマ。
描かれるのはいくつもの名前を使い分けて、その場しのぎの
自堕落な生活を続けている男。男は田舎町の一軒家に住み、
生活費はペットボトル再生工場での力仕事で賄っているが、
そこでも嘘の経歴で職に就いていたようだ。
ところがその嘘がばれそうになった時、ふと現れた少女が彼
の窮地を救う。そしてその少女の出現によって彼の人生が動
き始める。その後も彼の許に現れ続ける少女は、彼の過去に
関りがあるようなのだが…。
出演は、2017年12月3日題名紹介『ニワトリ★スター』など
の津田寛治と、2017年3月26日題名紹介『心に吹く風』など
の駒井蓮。他に筒井真理子、内田理央、波岡一喜らが脇を固
めている。
監督は、2014年11月紹介『横たわる彼女』などの戸田彬弘。
脚本は2017年4月9日題名紹介『ラオス 竜の奇跡』などの
守口悠介。因に、少女の学園生活の部分は道尾の原案にはな
かったものだそうだ。
その少女の存在はかなり謎めかされており、一部にはオカル
トを期待したくなる描写もあるのだが…。全体的には論理的
な物語で、その各ピースがぴたりと嵌って行く展開も心地よ
く感じられる作品だった。
男の生活態度については、謎が解き明かされて行く中でその
理由も理解されるようになっており、それは人生で陥り易い
陥穽かな。別に誰が悪い訳でもないのに、そんな状況になっ
てしまっている。
個人主義が進む現代社会では有り勝ちかもしれない、そんな
ことも考えさせられる。つまり本作は、そんな現代社会の一
面を見事に切り出した作品のようにも見えるものだ。しかも
それが心の襞に吹く暖かい風のように描かれている。
最近の日本映画を観ていると、ヴィジュアルやアクションに
頼って物語がおろそかな作品が多いように感じる。それに対
して本作はまず物語がしっかり構築され、そこにいろいろな
シーンが散りばめられる。
そんな本来の映画の面白さが具現化された作品のようにも感
じられた。そこに道尾の原案が見事に活かされた作品と言え
そうだ。なお道尾の原作料は、芋焼酎の一升瓶1本だったそ
うだ。
公開は6月30日より、東京は新宿シネマカリテ他で全国順次
ロードショウとなる。
この週は他に
『縄文にハマる人々』
(約1万5,000年前から約2,300年前まで日本列島で発展した
新石器時代に相当する縄文文化。遮光器土偶や火焔型土器な
ど独特の様式を持った時代に魅せられた人々がその想いを語
るインタヴュー中心のドキュメンタリー。その文化形態には
平等性など現代人の心をくすぐるようなものも多いようだ。
とは言うもののインタヴューを受ける側にはかなり怪しげな
人物もおり、全体的にはうさん臭さも感じられる。でも多分
それが狙いでもある作品なのだろう。正直には環状列石など
も登場する縄文文化には、もう少し世界的な視野に立った解
説も欲しかったところで、敢えて縄文文化の独自性を優位に
描こうとする姿勢には、そこにもうさん臭いものを感じてし
まった。なお本作は土器の魅力を伝えるため、全篇3Dでの
撮影が行われているそうだ。公開は7月上旬より、東京は渋
谷イメージフォーラムにてモーニング&レイトショウ。)
『仮面ライダーアマゾンズ THE MOVIE 最後ノ審判』
(1974〜75年に放送されたテレビシリーズを基に、2016年に
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04月22日(日)
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