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On the Production
by 井口健二
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■リディバイダー(それから、ママレード・ボーイ、レザーフェイス)
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
※スマートフォンの場合は、画面をしばらく押していると※
※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※
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『リディバイダー』“Redivider/Kill Switch”
イギリスのVFX監督ティム・スミットが2009年にネットで
公開した約10分の映像作品“What's in the box?”。それが
評判を呼び、その作品を自ら長編化した監督デビュー作。
物語の背景は、エネルギー資源が枯渇しかけている近未来。
そこに究極の資源確保のシステムが提案される。それは地球
をコピーしたエコーワールドを造り、その質量をエネルギー
に変えて地上に送り込むというものだった。
ところがそのシステムが暴走し、事態収拾のため元NASA
の宇宙飛行士でシステムの運営会社と契約していた主人公が
エコーワールドに向かうことになる。そこで手渡された黒い
箱を使って事態を修復するというのだが…。
空間転移装置で辿り着いたエコーワールドはシステムを巡る
戦闘状態にあり、兵器搭載の大型ドローンなどが飛び交う激
しい戦闘の中。そこで主人公は元の世界に暮らす家族を護る
ため、任務に邁進することになる。
出演は、2017年3月19日題名紹介『美女と野獣』で野獣役の
ダン・スティーヴンスと、2012年11月紹介『007スカイフ
ォール』でボンドガールのベレニス・マーロウ。他の配役は
主にヨーロッパで活躍する俳優たちのようだ。
原題のスクリーン上の表記では最後のRがキリル文字のよう
な裏返しになっていて、全体が鏡像のようなイメージになっ
ている。また監督の名前も本作では半角開けを除いて同様の
イメージになっていた。それがテーマの作品だろう。
因に原題が2つあるのは、元々は前半の題名で製作されたの
だが、これと同じ名前のパンクバンド(Rも裏返し)がある
ようで、欧米のデータベースなどでは後半の題名で登録され
ているものだ。
という作品だが、実は今ちょうど翻訳の出ている「ペリー・
ローダン」の日本版が本国では1983年に出版されたもので、
そこでも地球の複製が出ているのにはニヤリとした。しかも
目的は違うがそこに生物はいないことになっている。
従ってこのような第2地球のイメージは欧米人には有り勝ち
なのかな? ただしそこを搾取するとなると話は複雑だ。だ
から生物はいないとか言っている訳だが、これがばれたら…
ただ事では済まないだろう。
そこでこの設定をもう少しスマートに成立させるなら、例え
ばエコーワールドを反物質の世界にして、それぞれがプラス
とマイナスのエネルギーを得るとすれば、互いに搾取するこ
となく、0=∞のエネルギーを得る設定ができる。
そこから何らかの不具合が出てのアクションとなれば、SF
的にも納得の話になるのだが。物語の展開は良いとしても、
本作の制作者にはその辺をもう少し考えて欲しかったとは思
える作品だった。
公開は6月9日より、東京は新宿シネマカリテ他で全国順次
ロードショウとなる。
この週は他に
『それから』“그 후”
(2009年7月紹介『アバンチュールはパリで』などのホン・
サンス監督による2017年の作品。主人公は大学教授の紹介で
著名な評論家が社長の小さな出版社にやってきた女性。とこ
ろが出勤初日から評論家に言い寄られ、さらに乗り込んでき
たその妻から不倫相手と間違われる。こうしてすったもんだ
続くところに本物の浮気相手が現れて…。何ともはやのお話
だが、物語の背景に何となく親しみが湧いて、ニヤニヤしな
がら観てしまった。事務所が舞台の1幕劇のような展開で、
内容も台詞が多く舞台劇のような感じの作品だ。出演は監督
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04月01日(日)
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