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On the Production
by 井口健二
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■オンリー・ザ・B、50回目のファーストK(モリーズ・G、焼肉D、海を駆ける、ホース・S、超級大国民、最初で最後のK、オンネリ、ガンダム)
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
※スマートフォンの場合は、画面をしばらく押していると※
※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※
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『オンリー・ザ・ブレイブ』“Only the Brave”
2013年6月、アリゾナ州プレスコットで発生した山林火災に
立ち向った消防士たちの活動を描く実話に基づいた人間ドラ
マ。僕的には、現時点までの今年のベスト1と思える作品。
物語の始まりは2007年。プレスコットの地元消防に所属する
エリック・マーシュは山林火災に立ち向かっていたが、彼の
所属は「ホットショット」と呼ばれる先端の部隊ではなく、
災害時には周辺処理などに廻されていた。
しかし彼の知識と手腕は並ではなく、それを認めた市長から
「ホットショット」を目指す資格試験への道が開かれる。そ
こでマーシュは個人昇格した隊員の穴を埋める新人を募集す
るが、やってきたのはドラッグ漬けのブレンダンだった。
ブレンダンは恋人が妊娠し、家庭を持つための定職を求めて
来たのだが、山林火災の消防は建物火災の数倍と言われる危
険な仕事だった。そしてマーシュのチームは、全米初となる
地方自治体が持つ「ホットショット」となるが…。
映画の前半ではブレンダンの訓練に併せて山林火災の消防の
実務が紹介され、溝を掘って迎え火を放つ消火のやり方など
が説明される。これは以前から情報として聞いてはいたが、
本作では実際の動きなどが判り易く描かれていた。
そして後半では、その知識などがフル活用される消火作業が
描かれて行くものだ。
出演は、2013年2月紹介『L.A.ギャングストーリー』などの
ジョッシュ・ブローリンと、2017年5月紹介『ダイバージェ
ント』などのマイルズ・テラー。他に2012年4月紹介『バト
ルシップ』などのテイラー・キッチュ、2013年7月紹介『ワ
ールド・ウォーZ』などのジェームズ・バッジ・デール。
さらにジェフ・ブリッジス、ジェニファー・コネリーらが脇
を固めている。
監督は、2010年12月紹介『トロン:レガシー』や2013年4月
紹介『オブリビオン』などのジョセフ・コジンスキー。脚本
は2002年『ブラックホーク・ダウン』のケン・ノーランと、
2009年3月紹介『ザ・バンク 堕ちた巨像』などのエリック
・ウォーレン・シンガーが担当している。
ヴェトナム戦争時代に兵役忌避者に対する交換の任務が山林
火災の消防隊で、それは戦争に行くより危険な任務だと聞い
たことがある。本作を観ていても、あっという間に火に取り
囲まれる恐ろしさは、並大抵のものではなさそうだ。
「建物火災の数倍危険」というのは本作中の台詞だが、消防
士の映画で思い浮ぶのは、その建物火災を描いた1991年公開
『バックドラフト』だろう。しかしその作品での火災が特殊
効果で表現されたのに対して本作は視覚効果(VFX)。
それは山を覆う火災だからCGIで表現するしかないのは当
然だが、その迫力が半端ない。この辺は映画以前にMTVや
コマーシャルフィルムで、ヴィジュアリストとしても名高い
コジンスキー監督の手腕と言えそうだ。
その一方で、実は人間ドラマが要素となる作品では多少の不
安があったのだが、本作ではその点でも見ごたえがあった。
これには脚本の良さもあったのかもしれないが、ブローリン
らの演技も光る作品になっている。
実は試写を観た会場はスクリーンの位置が高く、普段は後ろ
寄りの席で観るようにしていたが、本作の時は席が埋まって
いて前目で観た。しかし本作に関しては、炎が襲い掛かって
くる感覚がより強くなり、前目が正解だった気がする。
恐ろしい出来事の実話に基づく作品ではあるが、本作の映像
では主人公たちの恐怖などの感情がストレートに伝わってく

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03月25日(日)
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