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On the Production
by 井口健二
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■バケツと僕!、放課後戦記(おもてなし、ダンガル、私はあなたのニグロではない、さよなら僕のマンハッタン)
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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『バケツと僕!』
2006年8月、2012年7月紹介『旅の贈りもの』シリーズなど
の竹山昌利企画、プロデュースで、1998年『無敵のハンディ
キャップ』にて講談社ノンフィクション賞受賞の北島行徳が
2005年に発表した小説『バケツ』を映画化した作品。
主人公は大卒後に務めた会社を1年で辞めて養護施設で働き
始める。そこに「バケツ」と呼ばれる軽度の知的障害を持つ
中学生がいた。他の生徒からは疎まれ、先生たちも手を焼く
「バケツ」だが、何故か主人公とは親しくなって行く。
ところが「バケツ」が中学卒業となった時、高校進学もまま
ならない彼は施設を出ざるを得なくなる。そして最初は親族
の長姉に頼るが、その家も追い出された「バケツ」に対して
主人公は一緒に暮らして行くことを決意する。
それは、主人公には養護施設からの退職も含めた決断だった
が。知的障害の上に盗癖もある「バケツ」との生活は、正に
波乱万丈のものになって行く。
出演は、歌手前川清の息子でシンガーソングライターの紘毅
と、2012年「NHKのど自慢チャンピオン大会」でグランド
チャンピオンに輝いた演歌歌手の徳永ゆうき。因に2人は舞
台やテレビドラマなどの経験は多数あるようだ。
他に、2017年2月紹介『サクラダリセット』などの岡本玲、
NHK大河ドラマ『八重の桜』などの竹島由夏。それに杉田
かおる、二木てるみ、ダチョウ倶楽部、海原はるか・かなた
らが脇を固めている。
監督は助監督出身で本作が本編デビューの䂖田和彦。脚本は
原作者と監督、さらに企画の竹山昌利、2013年7月紹介『お
しん』などの山田耕大が担当した。
原作者は障碍者プロレスなども主宰してその顛末から上記の
受賞を果たしているもので、マイノリティへの理解は深い人
と考える。その観点で本作でも障碍者に向ける目は暖かく、
それが感動を呼ぶ作品になっている。それは良いのだが…。
実はその感動が、「上手く行って良かったね」的な、浅薄な
ものであることが気になった。端的には結末に於いて、主人
公が「バケツ」に再会できたことだけで済ませて良いものか
どうか。
それは無事に再会できたことは良いが、「バケツ」の盗癖に
関しては何ら解決されておらず、さらに養護施設での体罰に
ついても、問題にしないまま放置されてしまう。これらの点
で僕には納得できない部分の残る作品だった。
映画はエンターテインメントではあるけれど、盗癖や体罰は
社会的な問題であり、それはいずれに面においても障碍者だ
から許されるというものではない。そこにちゃんと向き合っ
てこその作品だと思うのだが。
公開は3月3日より、東京は新宿K's cinema他にて全国順次
ロードショウとなる。
『放課後戦記』
NMB48出演による舞台のチケットが10公演即時完売した
という話題作の映画版。
主人公は友達に対する苛めを傍観しているような少女。そん
な少女にも彼女の気持ちを理解してくれる同級生はいて、そ
の同級生から借りたハンカチを返すため放課後の屋上に来た
主人公は、ふとうたた寝をして夜になってしまう。
そして校舎に閉じ込められた主人公は、翌朝から同級生同士
が殺し合う異様な世界に迷い込む。その世界から逃亡しよう
とすると射殺され、さらにその世界の期限は3日間で、その
間に全員を殺さなければ、自分も死んでしまうと言う。
斯くして少女たちの死闘が始まるが、主人公自身はあまりに
ひ弱で、他人を殺すことなどできそうもなかったが…。彼女
を守ってくれる仲間も登場する中で、絶体絶命の危機が次々
に襲い掛かってくる。
出演は、「NMB48」チームNのメムバーで、オリジナル
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02月18日(日)
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