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On the Production
by 井口健二
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■ZEN FOR NOTHING〜何でもない禅〜、エターナル
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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『ZEN FOR NOTHING〜何でもない禅〜』“Zen for Nothing”
兵庫県淡路島在住のドイツ人監督が、同県の日本海側の山奥
にある禅寺での生活の様子をスイス人の女優を中心に描いた
ドキュメンタリー。
舞台となるのは安泰寺という禅宗の寺。元は大正10年に宗学
研究ための学堂として京都洛北に建てられ、多くの研究者を
輩出した。その後の第2次大戦中は荒廃したが、昭和24年に
純粋に座禅を行う寺として再興。座禅と托鉢に徹した修行の
場として世間に知られ、国内だけでなく世界各国から修行者
が集まるようになった。
ところがその場所は人員の増加と周囲の宅地化とで修行には
相応しくなくなり、昭和51年に但馬の山奥に移転。自給自足
を旨とする寺として再出発。さらに現在は兵庫県日本海側の
山奥に50ヘクタールの境内地を有し、自給自足の生活を実践
しながら座禅修行に徹する場所となっている。そこにスイス
人の女優がやって来る。
彼女は長時間のフライトの後、長距離バスと鈍行列車を乗り
継ぎ、さらにリュックサックを背負って山道を徒歩で進み、
見えてきた長い石段を登った先で寺に到着する。そこで彼女
は修行僧の挨拶を受けた後、禅寺での作法が伝えられる。そ
して早朝3時45分に起床し、禅堂で白壁に向って座り続ける
座禅の日々が始まる。
さらに初心者には難しい食事の作法や、作務としての掃除、
農業、林業、薪割り、建物の修復などの厳しい作業の様子が
描かれる。一方、寺の修行僧の多くが世界各地から集まった
男女の若者たちであり、彼らのコミュニケーションは身振り
手振りを交えた数か国語で行われる。そんな彼らの中心とな
るのが、ドイツ生まれの禅僧で住職のネルケ無方師だ。
とまあ、かなり回りくどい紹介になってしまったけれど、何
と言うか、例えば禅宗と言えば永平寺辺りの清冽で如何にも
修行していますというのはちょっと違った感じの、身近に思
える禅修行の様子が描かれていた。どちらが良いのかは部外
者の僕には判らないけれど、観ていて自分が癒されて行く、
そんな感じがしたのは確かだ。
実はこの試写を観た日の午前中には、他社の試写会の申し込
みについてトラブルがあって、多少沈んだ気分になっていた
のだが、この試写を観てその気分も晴れやかになった。映画
を観ることでいろいろな疑似体験をすることができるが、僕
にとってこの映画はそんな癒しを実体験できる作品だった。
出演は、2008年のテレビスリラー『薬禍』でスイス映画賞を
受賞しているというサビーネ・ティモテオ。監督は、昨年劇
場公開されたドキュメンタリー『幸福は日々の中に』などの
ヴェルナー・ペンツェルと茂木綾子。
公開は2018年1月2日より、東京はポレポレ東中野にて、お
正月ロードショウとなる。
『エターナル』“싱글라이더”
2015年7月紹介『ターミネーター:新起動/ジェネシス』な
どのイ・ビョンホンと、2008年8月紹介『ハピネス』などの
コン・ヒジョン、それに2017年7月紹介『新感染 ファイナ
ル・エクスプレス』のアン・ソヒの共演で、かなりファンタ
シーの要素もある作品。
イが扮するのは証券会社の支店長。自分の仕事を信じ親戚や
友人、それに自分自身も多額の資金を株式投信に投入してき
た。ところが会社の目論みが破綻し、投資した金はすべて消
えてしまう。その状況が大きく報道される中で、彼は資金を
集めた顧客から攻撃の矢面に立たされる立場でもあった。
そんな顧客の暴力的な追及に身も心もボロボロになった日、
彼は先に妻子を移住させたオーストラリアへと向かう。それ
は息子とヴァイオリニストでもある妻の英語研修の目的でも
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11月26日(日)
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