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On the Production
by 井口健二
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■霊的ボリシェヴィキ、フラットライナーズ、ダークタワー、星くず兄弟の新たな伝説
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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『霊的ボリシェヴィキ』
1996年『女優霊』や『リング』シリーズの脚本家=高橋洋に
よる2012年4月紹介『コラボ・モンスターズ!!』の一編『旧
支配者のキャロル』以来となる脚本・監督作品。
題名の「ボリシェヴィキ」は、旧ソ連時代のレーニン政権下
における過激派集団を指す言葉のようだが。それに「霊的」
と付くのは1970年代にオカルト研究家の武田崇元氏が造語し
たものだそうだ。
ところがこの言葉が後のオウム真理教事件の際に援用され、
高橋監督はその頃からこれを題名にした映画を考えていたと
のこと。そして「今回は造語した武田氏の了解も得て実現に
漕ぎ着けた」とは、試写前の挨拶での監督の発言だ。
そんな訳で本作の物語では、かなり過激なオカルト実験の模
様が描かれる。そこに集められたのは人の死に立ち会ったこ
とがあるとされる7人の男女。会場にはテープレコーダーが
設置され、マイクに向って各々がその状況を語り始める。
その会場は町工場のようだが、何か特別な場所なのか? 話
が進むうちに様々な現象が起こり始める。そしてついに実験
の意味の問われる時が来るが…。
出演は、2017年3月紹介『いぬむこいり』などの韓英恵と、
2015年『おんなのこきらい』などの巴山祐樹。2016年2月紹
介『ドロメ』などの長宗我部陽子。他に2017年5月14日題名
紹介『ぼくらの亡命』などの高木公佑、2017年8月20日題名
紹介『南瓜とマヨネーズ』などの近藤笑菜。
さらに2016年11月27日題名紹介『変魚路』などの河野知美、
2014年『ホットロード』などの子役の本間菜穂、映画『赤い
橋の下のぬるい水』などの南谷朝子、2013年4月紹介『フィ
ギュアなあなた』などの伊藤洋三郎らが脇を固めている。
ジャパニーズホラーの根幹を支えてきた高橋監督だが、本作
ではあまり恐怖感を煽る演出はせず、むしろ純粋にオカルト
的な興味を前面に出した作品になっている。その辺がマニア
ックには面白いが、一般向きかどうか。
その一方で結末の過激さは、多少のマニアでも退いてしまう
感じで、この辺はジャンル映画としてもどうなのかな? ス
プラッターならそれでも良いのだけれど、ちょっと思想的な
過激さなのは気になったところだ。
でもまあそれが監督の個性なのだし、そこに外部がとやかく
言うところではないだろう。ただもう少し穏便に終らして欲
しかったという感じは持った。
いずれにしてもオカルトファンは必見の作品と言えるかな。
公開は2018年2月10日より、東京は渋谷ユーロスペース他で
全国順次ロードショウとなる。
『フラットライナーズ』“Flatliners”
1990年にジョエル・シュマッカー監督、キーファー・サザー
ランド、ジュリア・ロバーツら若手スターの共演により映画
化された臨死体験を描くサスペンスホラーのリメイク。
今回の主人公は先進的な大学病院に勤務する女性の研修医。
新たな研究課題を模索する彼女は旧病棟の地下に災害時用に
設けられた医療設備に目を付け、仲間を誘って密かにある実
験を実行する。それは人工的に心停止を行い、死後の世界を
探求するというものだった。
そして彼女は自らに処置を施し、1分間の心停止の後に蘇生
が行われるが…。その臨死状態でも脳内には活動が見られ、
それは彼女にある体験を齎していた。しかも彼女は蘇生後に
も活発な脳活動を披露し、立ち会った仲間はこぞって被験者
になることを志願する…。それが悲劇を生み出す。
出演は、2010年7月紹介『インセプション』などのエレン・
ペイジ、2013年8月紹介『エリジウム』などのディエゴ・ル
ナ、2017年2月5日題名紹介『トリプルX:再起動』などの
ニーナ・ドブレフ。
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11月19日(日)
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