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On the Production
by 井口健二
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■ガーディアンズ、シェイプ・オブ・ウォーター
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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『ガーディアンズ』“Защитники”
2016年8月に予告編が動画サイトに投稿されて話題を呼び、
本国では2017年2月に劇場公開されたロシア版スーパーヒー
ロー作品。
物語の起源は冷戦時代。旧ソ連では、遺伝子操作による超人
の誕生と、完全自動化による無人兵器の開発が並行して進め
られていた。ところがそれらの主導権争いから対立が生じ、
抗争の挙句に研究は頓挫、歴史の闇に葬られてしまう。
それから数10年が経った今日、ロシア軍の新兵器実験場で突
然暴走が起き、それはソ連時代に無人兵器を開発していた科
学者の復讐と判明する。しかもその科学者は、自らも肉体改
造して世界征服を目論んでいた。
この事態にロシア軍部は、かつての超人研究の記録を再調査
し、当時遺伝子操作で生み出されながら姿を消し、その後は
世を捨てて隠れて暮らす超人たちの再結集を目指す。彼らは
人類にとっての最後の希望だった。
出演は、主にロシアテレビで活躍するアントン・パプシニ、
2015年9月紹介『ザ・ファントム』などのサンザール・マデ
ィエフ(マディ)、2015年『FOUJITA』に出ていたセバスチ
ャン・シサク。
原案と監督は、2015年にヘイデン・クリステンセン、エイド
リアン・ブロディが共演した『クライム・スピード』などの
サリク・アンドレアシアン、脚本は、監督の前作『キル・オ
ア・ダイ 究極のデス・ゲーム』にも協力したアンドレイ・
ガヴリロフ。
海外の評価では「まさにロシア版『X-MEN』!」というのも
あるようだが、超人メムバーの風体や能力から見ると同じマ
ーヴェルでも『ファンタスティック・フォー』の方だろう。
人数が4人というのもそれに合致する。
ただ、劇中でその超能力が存分に発揮されているかというと
そうでもなくて、対決シーンはもっぱら格闘技戦になってし
まうのは勿体ないところ。とは言えそれを補うのがVFXに
よる大破壊で、それは豪華に都市を破壊してくれる。
ロシアのVFX事情では、2012年8月紹介『リンカーン/秘
密の書』などのティムール・ベクマンベトフが支援して一気
に向上したという話も聞くが、本作では以前に気になった場
面間の変動も少なく、かなりの水準に達したと言えそうだ。
この勢いで同様の作品がどしどし作られるのかな?
それにしても本作では、展開の都合で主人公たちを不老とし
ているのだが。これは生身の俳優には酷な話で、本作の続編
を作るときはどうするか。その辺が多少気になる所だ。
公開は2018年1月20日より、東京は新宿ピカデリー他で全国
ロードショウとなる。

『シェイプ・オブ・ウォーター』“The Shape of Water”
2012年12月〜2014年12月紹介『ホビット』シリーズの脚本も
担当したギレルモ・デル・トロの製作/原案/脚本/監督に
よるファンタシー映画。
物語の時代背景は1962年。主人公は耳は聞こえるが喉の障害
で喋ることのできない女性。彼女は政府機関の研究所に清掃
員として勤務しているが、ある日その研究所に水槽に厳重に
閉じ込められた謎の生物が到着する。
それを管理しているのは軍の将軍に直属の男性。彼は牧童が
牛追いに使う電撃棒を持って生物をコントロールしようとし
ていたが、反撃に遭い指を2本食いちぎられてしまう。そし
てその掃除で部屋に入った主人公は…。
謎の生物は水棲人で、軍は宇宙旅行のためにその身体の構造
を調べていた。そして最初は外見からの研究だったが、意思
疎通のできない水棲人に対して、ついに知能を持たない動物
と見做して生体解剖が提案される。
しかしその間に、主人公は水棲人と密かな愛を育んでいた。

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11月12日(日)
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