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On the Production
by 井口健二
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■パーティで女の子に話しかけるには、斉木楠雄のΨ難
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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『パーティで女の子に話しかけるには』
          “How to Talk to Girls at Parties”
2009年12月と2010年1月にも紹介した『コララインとボタン
の魔女』の原作でヒューゴー賞を受賞したニール・ゲイマン
の短編小説を、2007年5月紹介『ショートバス』などのジョ
ン・キャメロン・ミッチェル監督が、2016年4月紹介『トラ
ンボ』などのエル・ファニングを主演に映画化した作品。
題名を見て、ちょっと内向的な少年がガールフレンドを作る
までのお話かなと思いきや、実はファニングの演じる「女の
子」が異星人という展開。しかもその異星人の設定がSF的
にかなり捻りの利いたものになっている。
物語の背景は、1977年のロンドン郊外。主人公はパンク音楽
が大好きな少年。そんな少年が仲間2人とお気に入りのバン
ドのライヴを見た帰り、ふと聴こえてきた音楽に誘われて潜
り込んだパーティで少女に出逢う。
そしてその少女と意気投合した少年だったが、そのパーティ
のメムバーと一緒の少女の暮らしには特別なルールがあり、
少年と少女に残された時間はあまりに短かった。そこで2人
は、ルールを打ち破るべくある行動に出るが…。
共演は、2015年のトニー賞で史上最年少の主演男優賞に輝い
たというアレックス・シャープ。
他に、2013年7月紹介『ローン・レンジャー』などのルース
・ウィルスン、2016年5月紹介『アリス・イン・ワンダーラ
ンド』などのマット・ルーカス。さらにニコール・キッドマ
ンらが脇を固めている。
なお、監督のキャメロンは製作と脚本も担当し、原作者のゲ
イマンは製作総指揮に名を連ねている。
実は異星人のルールというのがいろいろあるが、あまり劇中
では説明されない。しかし結末のシーンに併せるといろいろ
考えてしまう仕組みになっている。その辺はSFファンには
微妙に面白くも感じてしまうところだ。
それと異星人たちの衣装が未来的と言えば未来だが、それが
1967年の『バーバレラ』を髣髴とさせる少しレトロな感じも
して、この微妙さもニヤリとさせられたところだ。その衣装
は2011年12月紹介『ヒューゴの不思議な発明』などを手掛け
たサンディ・パウエルが担当している。
カルト宗教との絡みなど、ちょっと現実的というかシビアな
部分もあるが、SFとしてのつくりはそれなりにしっかりし
ていて、原作者のセルフパロディ的なところも面白く観られ
る作品だった。
なお僕には判らないが、パンク音楽に関する言及もしっかり
した物のようだ。
公開は12月1日より、東京は新宿ピカデリー他で、全国順次
ロードショウとなる。

『斉木楠雄のΨ難』
赤塚賞の準入選作品で2006年にデビューしたという漫画家麻
生周一が2012年から「週刊少年ジャンプ」に連載中のギャグ
マンガを2017年6月25日題名紹介『銀魂』などの福田雄一の
脚本監督で映画化した作品。
主人公は男子高校生。彼にはテレパシーやテレキネシスなど
全ての超能力が備わっており、あまりに強力な力を制御する
ため、頭部には2本の制御棒が刺さっている。そして頭髪は
ピンクだが、その違和感は超能力によって周囲には気付かれ
ていないものだ。
そんな主人公は学校では極力目立たないように過ごしていた
が、学園祭のシーズンとなり、その期間中にトラブルが生じ
たら来年からは中止にするとの学校側の方針が発表される。
しかし主人公にとって学園祭は、その間に姿を消しても気付
かれない、唯一の気晴らしができる期間だった。
そこで学園祭の継続のため期間中にトラブルが発生しないよ
うにパトロールを始める主人公だったが…。次々に発生する

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10月15日(日)
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