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On the Production
by 井口健二
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■トモダチゲーム−劇場版FINAL−、じんじん〜其の二〜、シンクロナイズド・モンスター、セブン・シスターズ
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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『トモダチゲーム−劇場版FINAL−』
山口ミコト原作、佐藤友生作画によるコミックスの映画化で
2017年4月紹介『トモダチゲーム・劇場版』の続き。
前回も書いたが、『劇場版』に先立つ『テレビ版』でテーマ
とされたゲームはコックリサン、前作『劇場版』はスゴロク
だったが、今回はカクレンボ。いずれも子供の遊戯が恐怖の
推理ゲームに結び付けられる。
しかも最初のコックリサンはそれなりにホラーのテーマとも
言えるが、続くスゴロクとカクレンボはいずれも正しく子供
の遊戯で、この展開は中々考えられている。その上で、前回
のスゴロクではCGIが使われたが、今回は実写が中心とい
うのも洒落た展開だ。
そしてそのカクレンボを、チーム対抗のゲームとするための
本作特有のルールがかなり巧みに考えられていて、さらに謎
解きやどんでん返しなど、それなりに納得の行く心理劇とし
て描かれているのも見事だった。
なお前の紹介では『劇場版2』と書いたが、本作でシリーズ
は完結のようだ。
出演は、前作と同じ吉沢亮、内田理央、山田裕貴と、さらに
大倉士門、根本凪らで、脚本と監督も永江二朗が担当した。
正直なところ、コミックスの映画化では設定が穴だらけだっ
たり、展開に矛盾があったり、ここで紹介するときにかなり
悩んでしまう作品も多くて、これが最近の若者の好みか…?
と逃げることもあったが、本作に関してそれは無かった。
それに上記のように若者向けの題材からスタートして、そこ
からCGIアクションに展開し、最後をこの様な心理劇で締
めくくるというのは、ある種の確信犯的な構成ではないかと
も思ってしまうところだ。
これで今後にこういう作品が増えてきたら、それこそが本作
の狙いなのではないか、とも思ってしまう。とまあここまで
書くのは考え過ぎかな…。でもそれくらいには楽しめる作品
だった。
ただ、前回も展開されたCGIを使った演出や、本作でも登
場するワープのような展開は、本作の背景となる世界の意味
が明白ではないもので、その点に関してはまだ疑問の残る作
品になっている。
本作では一応の完結編となっているが、原作のコミックスは
まだ連載中のようだし、本作の最後に示唆されるところも期
待したいものだ。
公開は9月2日より、東京はシネリーブル池袋他で全国順次
ロードショウとなる。
『じんじん〜其の二〜』
俳優大地康雄の企画主演で、2013年に第1作が公開された大
道芸人を主人公にした人情喜劇シリーズの第2弾。
前作の試写も観ているが、その時は紙面の容量が足りなくて
紹介を割愛したようだ。ただ当時の感覚としては、作品自体
が『男はつらいよ』の亜流のようにも感じられたし、テーマ
的に次は無いように感じたことも事実だ。しかし今回は独自
性を持って第2弾が登場した。
その舞台は、前作の北海道上川郡剣淵町から一気に南下した
神奈川県秦野市。その祭りに招かれ大道芸を披露した主人公
は、そのまま近くの家に間借りして居残っている。そしてそ
の町で、都会を逃れてやってきた若者や、心を閉ざした少女
との交流が描かれる。
因に前作の剣淵町は「絵本の里」として知られており、作品
のテーマも絵本に纏わるものだったが、それに対して今回の
秦野市は林業と「名水の里」だそうで、その特性を活かした
物語が展開されている。
共演は福士誠治、鶴田真由、菅野莉央、岡安泰樹。他に永島
敏行、苅谷俊介、津田寛治らが脇を固めている。また、佐藤
B作と中井貴惠が前作に引き続き登場している。監督も前作
に続いての山田大樹が担当した。
僕自身が近隣平塚の出身なもので、本作はいろいろ興味深く
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08月27日(日)
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