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On the Production
by 井口健二
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■第25回フランス映画祭、十年 Ten Years、ダイバージェントFINAL
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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今回も、6月22日〜25日に有楽町朝日ホール/TOHOシネマズ
日劇で開催される第25回フランス映画祭で上映される作品の
中から3本を紹介する。
『パリは今夜も開演中』“Ouvert la nuit”
『エタニティ…』のオドレイ・トトゥが主演するパリの劇場
を舞台にした作品。トトゥが演じるのは劇場支配人の右腕的
立場にいる女性。劇場の次の演目は日本から招いた演出家に
よる作品だが、初日の前日になるも給料の未払いなどで混乱
が続いている。しかも肝心の支配人が小切手帳を持ったまま
姿を現さない。そこにようやく支配人が現れるが…。支配人
は再び夜のパリの街に彷徨い出てしまう。共演は、本作の監
督も務める2011年10月31日付「東京国際映画祭」で紹介『チ
キンとプラム』などのエドゥアール・ベアと、2013年2月紹
介『アンタッチャブルズ』などのサブリナ・ウアザニ。物語
はかなりのドタバタ調とロマンティックが交錯して多少混乱
気味かな。全体的には軽い作品として了解は出来るのだが。
なお本作は映画祭では6月24日に上映されるが、一般公開は
未定となっている。
『夜明けの祈り』“Les Innocentes”
第2次大戦終戦直後のポーランドで起きた、実話に基づくと
される作品。幕開けは修道院。敬虔な夜明けの祈りが続く中
でけたたましい叫び声が聞こえてくる。その声に1人の修道
女が雪道に飛び出し、かなり先のフランス赤十字の野戦病院
を訪ねる。そこでポーランド人は診ないという言葉にめげず
懇願する修道女に、1人の看護婦が密かに同行を決意する。
そして彼女が修道院で観たものは…。ソ連崩壊後、赤軍によ
る非人道的行為が次々に明るみに出されるが、中でもこれは
極め付きという言葉に値する。それはフランス人看護婦によ
る英雄的な行いとして描いてはいるが、過去のソ連を非難す
る舌鋒も鋭い作品だ。監督は2009年7月紹介『ココ・アヴァ
ン・シャネル』などのアンヌ・フォンテーヌ。出演は後日紹
介予定『世界にひとつの金メダル』などのルー・ドゥ・ラー
ジュ。映画祭では6月24日に上映、一般公開は8月5日より
東京は新宿武蔵野館他で全国順次ロードショウとなる。
『愛を綴る女』“Mal de pierres”
日本語にも翻訳されているミレーナ・アグスの原作(邦訳題
祖母の手帳)を、アラン・レネ監督『アメリカの伯父さん』
などのベテラン女優で、本作でセザール賞監督賞にノミネー
トされたニコール・ガルシアが、2007年『エディット・ピア
フ』でオスカー受賞の国際女優マリオン・コティアールを主
演に迎えて映画化した作品。今なら“境界性人格障害”と診
断されるのかな。そんな女性を主人公に、人妻でありながら
入院先の療養施設でインドシナ戦争の傷病兵に惹かれてしま
う女性の姿が描かれる。しかしその顛末は予想外の展開とな
る。途中ではかなりファンタスティックな様相にも描かれて
おり、後半の展開には緊張と共に感動も訪れた。映画祭では
6月24日に上映、一般公開は10月7日より東京は新宿武蔵野
館他で全国順次ロードショウとなる。
以下は通常の試写作品。
『十年』“十年 Ten Years”
2015年に香港返還20周年を期して製作された5つの短編から
なるオムニバス。
本作は、香港の中規模映画祭でプレミア上映され、その後に
単館で上映が始まるも、口コミで徐々に観客動員を伸ばし、
遂には同日封切りの『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』
を週間興行成績で撃破したという。
それぞれの物語は映画製作時から10年後の2025年を想定し、
起こり得る話が描かれている。
その1本目は「エキストラ」。テロ対策法を何としても成立
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05月21日(日)
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