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On the Production
by 井口健二
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■ひるね姫、レゴバットマン ザ・ムービー
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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『ひるね姫』
2016年11月20日付で題名紹介した作品が完成し、改めて試写
が行われた。
少女の見る夢と現実が交錯するファンタスティックな要素も
大きく作用する物語。
主人公は岡山県倉敷市で父親と2人暮らしの女子高生。特に
取り得もない彼女はいつも居眠りをしている。ところが最近
になって同じ夢ばかりを見るようになっていた。そこは機械
産業が発達した王国で、彼女はその国の王女だったが…。
そして現実の背景は2020年の夏、東京オリンピックの開会式
が3日後に迫った日。とは言うものの、そのイヴェントは彼
女にはあまり関係が無いようだ。ところがそんな彼女の周囲
に不穏な雰囲気が漂い始める。
その日、突然父親が警察に任意同行を求められ、そのまま身
柄は東京に送られることに。一方、お盆で墓参りに行った主
人公は父親が隠したタブレットを発見。そして帰宅した彼女
は侵入者から辛くも脱出する。
斯くして帰省していた幼馴染の大学生と共に、父親が改造し
たバイクで父の後を追うことに決めた主人公だったが、その
途中では様々な不思議な出来事に遭遇する。それは夢の中で
彼女が使う魔法のようだった。
原作、脚本、監督は2012年10月紹介『009 RE:CYBORG』など
の神山健治。声の出演は高畑充希、満島真之介、古田新太、
高橋英樹、江口洋介。さらに釘宮理恵、高木渉、前野朋哉、
清水理沙らが脇を固めている。
昨年11月に観た時はほぼ線画の状態で、さらに音声は台詞だ
けという状況だったが、それが完成するとこんなにも印象が
変わるのかと驚くほどだった。
実際、昨年観た時にはもっとファンタシーの要素が強いかと
思っていたが、完成品ではそれほどでもなく。むしろ現実の
中にうまく溶け込んでいる感じで、その描き方も的確なもの
だった。
特に魔法だと思っていたことの種明かしが巧みで、それには
ニヤリとさせられたところ。これはファンタシーより、むし
ろSFだったようだ。2020年の直近の未来がここまでSFに
なるかは判らないが、そんな夢も楽しい作品だ。
夢の中の王国を襲う巨人など、過去の日本のアニメ作品への
オマージュのようなシーンも数多くあり、それらへの評価が
どうなるかは多少気になる所だが、物語としてのオリジナリ
ティはしっかりしていると思えた。
それは主人公が何の取り得もない少女という設定も良いし、
その主人公が歌う主題歌「デイ・ドリーム・ビリーバー」も
作品にマッチして良い感じだった。
公開は3月18日より、全国ロードショウとなる。
『レゴバットマン ザ・ムービー』
“The LEGO Batman Movie”
2014年2月紹介『LEGOムービー』のスタッフ再結集で、DC
スーパーヒーローの世界を描くパロディ作品。
実は前作ではバットマンの人気が特に高かったのだそうで、
そこで今回は彼が主演にフィーチャーされている。となれば
敵役は当然ジョーカーだが、その立ち位置の微妙なところが
本作の売りと言えそうだ。
実際バットマンには他にもいっぱい敵がいる訳で、そこから
物語が動き始める。そしてジョーカーはありとあらゆる悪役
に総動員令を掛けてしまうのだ。そこで登場するのが…。い
やはや全部LEGOとは言えこれは凄い。
特に、他の物語から動員された、それぞれが最恐と言われた
悪役たちには、そうかこいつらもワーナー映画の所属だった
んだと妙な関心もしてしまったくらい。これは映画ファンも
ニヤリとさせるものになっている。
そしてバットマン側には、お決まりのアルフレッド(仕掛け
在り)を始めとするファミリーが集結となるもので、これも
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03月05日(日)
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