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On the Production
by 井口健二
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■グレート・ウォール、無限の住人
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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『グレート・ウォール』“The Great Wall”
2011年5月紹介『サンザシの樹の下で』などのチャン・イー
モウ監督が初めてハリウッドに進出し、主演にマット・デイ
モンを迎えた米中合作のVFXアクション大作。
物語は「万里の長城」で数多語られる伝説の1つに基づくと
される。
時代背景は、まだ黒色火薬が欧州に伝来していない頃。その
秘密を狙って2人のイギリス人が国境地帯へとやって来る。
ところがそこで何者かに襲われ、その敵から切り落とした腕
を抱えて向った先には長城が立ちはだかっていた。
その長城の守備隊に捕えられた2人だったが、やがて長城が
設けられた恐怖の訳を知ることになる。それは60年ごとに北
方から押し寄せる異形の群れを阻むためのもの。そのための
多彩な防御手段も長城に設けられてはいたが…。
そこで主人公の持ち込んだ腕がその異形の物と判り、さらに
その攻撃力を削ぐ手段も判り始める。こうして2人は守備隊
と共に異形の群れに立ち向かうことになる。だがそこには彼
らの他にも黒色火薬の秘密を狙う者がいた。
共演はウィレム・デフォーと、テレビ『ゲーム・オブ・スロ
ーンズ』で人気を博したチリ出身のペドロ・パスカル。それ
に中国側から2014年3月紹介『ポリス・ストーリー/レジェ
ンド』などのジン・ティエン。
さらにアンディ・ラウ、ロック歌手でもあるルハン、2008年
10月紹介『戦場のレクイエム』などのチャン・ハンユーらが
脇を固めている。
テイスト的には『LOTR』なのかな。異形の群れの来襲に
人類がいろいろな仕掛けで対抗する。それは中国映画特有の
アクションにも彩られたもので、そこにVFXが絡んで壮絶
な戦いが描き出されている。
『サンザシの樹の下で』の紹介ではイーモウ監督が武侠作品
を撮ることに懸念を書いたつもりだが。実は2003年5月紹介
『HERO』の来日記者会見では、「この種の武侠物語に子
供のころから親しんできた」とも語っていたもので、監督自
身は喜んで撮っている印象だった。
ましてや本作は監督のハリウッド初進出作となったもので、
それが迎合ではなく自身の好きなものを思い切り撮れたとし
たら、これも素晴らしいと言えるものだ。それに人類が繰り
出すいろいろな仕掛けも、アイデアたっぷりで面白かった。
それにしても「万里の長城」にこんな伝説があったとは…。
公開は4月14日より、3D/2D,IMAX−3D、MAX
4D、4DXで全国ロードショウとなる。

『無限の住人』
漫画家・沙村広明が「月刊アフタヌーン」に1993年6月から
2012年12月まで連載した長編コミックスを、2016年3月紹介
『テラフォーマーズ』などの三池崇史監督が、木村拓哉を主
演に招いて映画化した作品。
背景は江戸時代。1人の武士が集団に囲まれ、目の前で妹を
惨殺された上、自らも深手を負わされる。ところがそこに現
れた尼僧が「血仙蟲」と呼ばれる寄生虫を体内に押し込み、
その力で武士は不死身の身体となる。
そして50年後、今も変わらぬ姿の武士の許に1人の若い女性
がやって来る。彼女は道場主の娘だったが両親を剣客集団に
殺され、その仇討ちを遂げるまでの用心棒を不死身の男に頼
みに来たのだ。
その依頼に最初は面倒くさがる主人公だったが、やがて一途
な女性の姿に亡くした妹を思い出し、その仕事を引き受ける
ことになる。しかしそれは壮絶な戦いの場に彼を引き摺り込
むものだった。
実は彼女の両親を襲った剣客集団というのが、公儀によって
武術の統一を図ろうとするものであり、既にほとんどの道場
は取り潰しとなっていた。しかしその在り方を巡る戦いが起

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02月19日(日)
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