ID:47635
On the Production
by 井口健二
[459779hit]
■トゥー・ラビッツ、黒執事 Book of the Atlantic
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
『トゥー・ラビッツ』“2 Coelhos”
ハリウッドリメイクもすでに計画されているという2011年製
作のブラジル作品。
映画の開幕は悲惨な交通事故。その画面では、歩道に立って
いた母子が暴走してきた車に潰される。続いて描かれるのは
身代金誘拐事件の現場。そこでは少女が床下の穴倉に閉じ込
められている。
そして物語は、ポルノとゲームに明け暮れる若者が、二兎を
一撃で仕留める仕組みを考案したと話すところから始まる。
その若者は運転中に強盗に襲われるが、逆に強盗を追跡し、
仲間になれば200万ドルを稼げると持ち掛ける。
こうして若者の立てた二兎を一撃で倒す計画がスタートする
が…。その途中にはフラッシュバックや後出しに思える説明
などが交錯し、さらに映像には線画のアニメーションが合成
されるVFXなど、多彩な演出で物語が展開される。
脚本と監督は、本作デビュー作でブラジル版タランティーノ
とも称されるアフォンソ・ポイアルチ。監督は本作の後には
ハリウッドに招かれて、2015年にアンソニー・ホプキンス、
コリン・ファレル共演作を手掛けている。
出演は、フェルナンド・アルヴィス・ピント、アレサンドラ
・ネグリーニ、タイーヂ、アルヂニ・ムレール、カコ・シオ
クレール、マラチ・デスカルチス。いずれも日本では馴染み
がないが、本国では作品歴のある実力派俳優たちだ。
他に、2011年11月紹介『エリート・スクワッド』に出ていた
というトグンらが脇を固めている。
上述のようにかなり物語が錯綜していたもので、映画が終っ
た瞬間では自分の気持ちがいろいろと混乱していた。しかし
試写会場の出口で宣伝担当の人と会話しながら物語を反芻し
ている内に、その全体像が掴めてきた。
それは主人公の計画がかなり壮大なもので、しかも齟齬をき
たすことを想定しながら綿密に練られたものだということが
理解できた。そしてその結末が、彼自身はもしかしたら別の
考えであったかもしれないが、こうなってしまう。
そんな神(監督)の配剤みたいなものが心に沁みる作品にも
なっていた。
最初に書いたようにハリウッドリメイクも計画されていると
聞くが、本作の展開はハリウッド的にはかなり問題が多いか
もしれない。しかしこの物語は揺るぎないものであり、出来
るなら監督自身でリメイクも手掛けて欲しいものだ。
公開は2月18日より、東京は新宿シネマカリテ他にて、全国
順次ロードショウとなる。
『黒執事 Book of the Atlantic』
2013年12月にワーナーブラザース製作、剛力彩芽、水嶋ヒロ
主演による実写版を紹介した人気コミックス原作のアニメー
ション映画版。
物語の舞台は19世紀のイギリス。ファントムハイヴ伯爵家の
当主シエルと執事のセバスチャンは、「死者蘇生」の儀式が
行われるという情報を掴み、その儀式が行われる集会に潜入
するため、処女航海の豪華客船カンパニア号に乗り込む。
そこには、シエルの婚約者のエリザベス(リジー)とミッド
フォード侯爵家の家族も乗船していた。さらにその船には死
神やその他の冥界の使徒らも乗り込んでおり、そんな中で、
シエルとセバスチャンは「死者蘇生」を目撃するが…。
その儀式を切っ掛けに恐怖の事態が勃発する。
作品は枢やなの原作の内、第11巻〜第14巻の「豪華客船編」
から、2011年『劇場版マクロスF』などの吉野弘幸が脚色、
監督は2010年『劇場版BLEACH』などの阿部記之が担当した。
因にこのメムバーでは2014年に『黒執事 Book of Murder』
という作品も作られている。
声優も、その2014年作品からの小野大輔、坂本真綾。さらに
田村ゆかり、諏訪部順一、福山潤らが担当している。
[5]続きを読む
01月15日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る