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On the Production
by 井口健二
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■ハードコア、君と100回目の恋
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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『ハードコア』“Hardcore Henry”
2012年8月紹介『リンカーン/秘密の書』などのティムール
・ベクマンベトフ監督がプロデューサーとして参加している
FPS(First-person shooter)のゲームを模した一人称の
カメラ撮影によるアクション作品。
物語は、カメラの視点でもある主人公が目覚めるところから
始まる。そこは研究施設のような場所で、ベッドに寝かされ
た主人公は過去の記憶が蘇らないまま、切断された手足に女
性の手でメカニカルな義肢が装着される。
ところがそこに謎の一団が侵入し施設の破壊を始める。この
事態に主人公は辛くもその場を脱出するが、侵入者は主人公
の看護に当っていた女性を連れ去る。そこで主人公は女性の
救出に向かうことになるが…。
メカニカルの手足を装着された主人公は、まだ声帯が装着さ
れていないために喋ることはできないものの、身体能力では
驚異的な行動力を発揮し始める。という展開が、全編一人称
のカメラで描かれる。
そこでは銃撃戦から格闘技、また至近距離での爆発やバイク
アクション、さらにはフリークライミングによる外壁登りに
スカイアクションと、ありとあらゆるアクションシーンが、
一人称の視点で観られるのだ。
これはもう、これらのアクションを実体験している気分にも
させてくれる作品になっている。
出演は、2010年3月紹介『第9地区』などのシャールト・コ
プリー、2016年11月13日題名紹介『マグニフィセント・セブ
ン』などのヘイリー・ベネット。さらにロシア・モスクワ出
身のダニーラ・コズロフスキー、2016年1月紹介『ヘイトフ
ル・エイト』などのティム・ロスらが脇を固めている。
脚本と監督は、モスクワのパンクバンド「バイティング・エ
ルボーズ」のフロントマンを務めるイリヤ・ナイシュラー。
作品は、ナイシュラーが自分のバンドのPVとして製作した
短編をYouTubeにアップしたところ、それがベクマンベトフ
の目に留まり、ベクマンベトフからコンタクトが来て長編化
を勧められたというものだ。
そして撮影はゴープロというアクション用のカメラで行われ
たが、そのシステムが大画面での上映にマッチするかなど、
様々な実験や試行錯誤も行われたようだ。そこにはゴープロ
の開発チームも参加して綿密な準備が行われている。
しかし実際の撮影はオールモスクワロケで行われたものの、
悪天候や例年より早かった冬の訪れなどに中断を余儀なくさ
れ、遂には製作資金が底を突いてクラウドファンディングの
助けも得たとのことだ。
内容的には、2012年9月紹介『ユニバーサル・ソルジャー』
なども想起するものだが、FPSという視点のユニークさは
抜群で、特にフリークライミングのシーンなどは、本当に手
に汗を握る映像になっている。
一方、実は敵の侵入者のリーダーがテレキネシスを発揮して
いるらしいのだが、それがFPSでは垣間見られるだけで、
その辺のちょっともどかしさを感じさせる演出も巧みで良い
感じだった。
POV(Point of View)とは異なる新たな映像世界の誕生
とも言えそうだ。
公開は4月1日より、東京は新宿バルト9他で、全国ロード
ショウとなる。
『君と100回目の恋』
2014年10月紹介『マエストロ!』に続くシンガーソングライ
ターのmiwaがヒロインを務めるかなりファンタスティックな
要素を含む作品。
主人公は同じ大学に通う幼馴染の男子とバンドを組んでいる
女子。そのバンドは地元の花火大会のライヴステージに出演
することになっており、彼女はそのステージの後にイギリス
への留学が決まっている。
そんな彼女は幼馴染の男子に恋心を持っていたが、何事にも
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12月25日(日)
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