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On the Production
by 井口健二
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■造られた殺人、MICメン・イン・キャット、オー・マイ・ゼット!
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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『造られた殺人』“특종: 량첸살인기”
2014年公開『観相師』などのチョ・ジョンソク、2011年5月
紹介『鯨とり−ナドヤカンダ−』などのイ・ミスク、2012年
11月紹介『R2Bリターン・トゥ・ベース』などのイ・ハナ
共演で、連続殺人犯を追う事件記者を描いた韓国映画。
物語の発端で、主人公はある企業のスキャンダルをスクープ
するが、その会社が自社のスポンサーであった事から仕事を
失ってしまう。そこでふと主人公は、未解決の連続殺人事件
のタレこみ情報を思い出し、その現場に行ってみる。
そこは半地下のアパートで、近くには殺人現場で目撃された
と同じ赤い乗用車も駐車していた。そして部屋に潜入した主
人公は、暗闇の中で1枚のメモ用紙を手に入れる。それには
殺人者の告白と思われる文章が記載されていた。
そのメモ用紙をテレビ局に売り込み、報道番組に出演した主
人公は事件記者として華々しい復活を遂げるのだが…。それ
はとんでもない事態に彼を追い込むことになってしまう。果
たして彼の報道は誤報だったのか?
さらに共演者では、2013年5月紹介『殺人の告白』などのペ
・ソンウ、『観相師』などのキム・ウィソン、ドラマ『ミセ
ン〜未生〜』などのキム・デミョンらが脇を固めている。
脚本と監督は、2013年デビュー作で上海国際映画祭のアジア
新人作品賞を受賞し、さらに同年の女性映画人賞、監督賞を
受賞したノ・ドク。デビュー作は恋愛映画だが、ストーリー
とキャラクターが共感を呼び評価されたそうだ。
そして本作は、2003年に構想し、2008年から脚本を書き始め
たというもので、発端は有り勝ちな連続殺人事件の追及なが
ら、スクープから誤報、さらには意外な展開…と、緻密な構
成で観客を引き込んで行く。
特に離婚し掛っている主人公と妻との関係という、普通なら
うざくなるサブストーリーを見事に成立させ、また主人公の
女性上司の存在など、これは女性監督ならではと思わせる。
それを男性にも納得できるように描いている。
実は前回題名紹介の『ミュージアム』では、そのようなサブ
ストーリーをほぼ排除して、犯人捜査の推理に重きを置いて
いる。それは推理の点では日本映画に軍配を上げるものの、
本作には大人の映画の楽しみがあるようにも感じられた。
さらに結末には、おや?と思わせる仕掛けも用意してあり、
これは全く一筋縄ではいかない作品に仕上げている。これは
観客への挑戦状とも言える、正に大胆な作品だ。
公開は11月19日より、東京はシネマート新宿、大阪はシネマ
ート心斎橋、愛知はイオンシネマ名古屋茶屋他で、全国順次
ロードショウとなる。

『MICメン・イン・キャット』“Nine Lives”
2012年5月紹介『MIB3』などのバリー・ソネンフェルド
監督が、2013年8月紹介『ハウス・オブ・カード』などのケ
ヴィン・スペイシーを主演に迎えたファンタシー作品。
スペイシーが演じるのは一代で財を成したワンマン経営者。
部下には厳しいがやることは破天荒で、今は本社を移すため
ニューヨークに建てた北米大陸一の高さを誇るビルにご執心
だ。ところが、その落成式を目前にしてシカゴにもっと高い
ビルの建つことが判明する。
一方、社内には社長のやり方に反発するグループも存在し、
彼らは株式を公開して社長の発言力を弱める計画を進めてい
た。そんなことは知らず、社長は愛娘の誕生日のプレゼント
に、好きでもない猫を買うため偶然見かけたペットショップ
を訪れる。
そこで不細工な猫を購入した社長は帰路に就くが、その途中
で反対派の部下に新社屋の屋上に呼び出される。そこで部下

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10月09日(日)
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