ID:47635
On the Production
by 井口健二
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■追憶(2015)、TOMORROW パーマネントライフを探して、東京国際映画祭記者会見、東宝/ワーナー邦画記者会見
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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『追憶(2015)』
第2次世界大戦の後半、1944年9月15日から11月25日までの
72日間に及んだパラオ諸島ペリリュー島の戦いを描いた戦争
ドキュメンタリー。
戦いは中川州男陸軍大佐率いる日本軍守備隊に対して、アメ
リカ軍第1海兵師団及び第81歩兵師団が上陸戦を仕掛ける構
図で行われた。ペリリュー島には当時東洋一と言われた海軍
航空隊の飛行場があったが、すでに航空機は無かった。
そこで日本軍は山を要塞化して上陸部隊を迎え撃ち、さらに
縦横に掘られたトンネルを介してのゲリラ戦を敢行する。こ
れにより、当初のアメリカ軍側の予想では4日間で終るとみ
られた戦いは72日にも及ぶことになる。
それはアメリカ軍にとっては、塹壕から突然軍刀を振りかざ
して飛び出してくる日本兵に怯えながら、小銃や火炎放射器
を撃ちまくる。そして爆撃機が目標も定めず絨毯爆撃を繰り
返す。それがただ続くだけの戦闘だ。
その様子が、アメリカ国防総省に保管されていたカラーを含
む大量の記録映像と従軍した元米国兵士、それに戦闘終了後
も洞窟に潜み終戦後に投降したという元日本軍兵士らの証言
などによって描かれる。
以前から書いていることだが僕は反戦の立場を採っているの
で、基本的に戦闘を描いた作品は認めない。特にドラマ作品
では、反戦を謳っていても戦闘シーンが描かれたものは認め
ない方針でいる。
しかし本作に関してはあくまで記録であり、これは事実とし
て受け止めるべきもの。そこに私情は挟まれない。その観点
で本作に対すると、そこにあるのはただの殺戮であり、英雄
が活躍するドラマとはかけ離れたものだ。
そんな現実の戦いの様子が数10分に亙って延々と繰り返され
る。しかも実際には72日間も続いたのだと考えるとただ悲惨
であり、人間はこんなことに労力を費やしたのだと、哀しく
もなってくる。
とは言え人間は今だにその愚行を繰り返し続けている訳で、
さらにはそれを拡大しようとさえしている。その風潮は日本
が戦争をしたことも知らない若者に顕著にも感じるが、本作
はそういう人たちにこそ観て貰いたいものだ。
特に戦争アニメやゲームにむやみに興奮して、殺人者になる
ために戦場に行くことを渇望しているような人たちには、本
当の戦争の悲惨さも理解してもらいたいもの。そんな戦争の
真実が本作には描かれている。
ただし本作では、スタンダードで撮影された映像がワイド画
面に引き延ばされていたり、同じ空爆の映像が繰り返し登場
するなど問題もあるが、無残に殺されるだけの戦争の何が良
いのか、考える切っ掛けにはなる作品だ。
公開は11月5日より、東京都写真美術館ホール他にて、全国
順次ロードショウとなる。
『TOMORROW パーマネントライフを探して』“Demain”
2013年10月紹介『グランド・イリュージョン』などで国際的
に活躍するフランス人女優のメラニー・ロランが共同監督を
務めるエコロジー系のドキュメンタリー。
発端は、2012年6月の学術雑誌「ネイチャー」に掲載された
「今のライフスタイルを続けたら2040年〜2100年の間に人類
は滅亡する」という科学者たちの予測。これを基に「如何に
したら人類は生き延びられるか?」を検証する。
そこではまず食糧問題が取り上げられ、アメリカデトロイト
での都市農業の取り組みなどが紹介される。それにしてもこ
のデトロイトの状況に関しては全く知らなかったし、かなり
の衝撃だった。
次にはエネルギー問題が取り上げられ、デンマークやアイス
ランド、インド洋に浮かぶフランス領レユニオン島などが取
材される。因にレユニオン島に関しては字幕で所在地が言及
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10月02日(日)
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