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On the Production
by 井口健二
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■ミスワイフ、チリの闘い第1部〜第3部、湯を沸かすほどの熱い愛、PK
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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『ミスワイフ』“미쓰 와이프”
2011年2月紹介『ミス・ギャングスター』などのカン・ヒョ
ジンの監督、2010年5月紹介『仁寺洞スキャンダル』などの
オム・ジョンファの主演で、独身敏腕女性弁護士が突然平凡
な主婦の生活に追い込まれるというコメディドラマ。
主人公は幼い頃に父親を亡くし、その父親の悪口を言い続け
た母親も他界して独力で今の地位を築き上げた女性弁護士。
少しブラックな外国企業に勤めているが、その危ない訴訟も
勝訴率100%の敏腕ぶりで、遂にニューヨーク本社への栄転
が決まっている。
そんな女性が自分の運転する車で事故に巻き込まれ、ふと気
が付くと、そこは天国への中継地だった。しかし彼女の死亡
は手違いで彼女は戻されることになるのだが、その手続きが
済むまでの1か月、こちらも手違いで1か月早く死亡して既
に魂が天国へ行ってしまった女性の身代わりを頼まれる。
それを現世に戻るための取引条件とされて彼女はその役を引
き受けるが…。それは公務員の夫と2人の子持ちの専業主婦
という、今までの彼女の暮らしとは真逆の生活環境だった。
果たして彼女はその境遇を受け入れ、無事に1か月間を過ご
すことができるのか?
共演は、2010年10月紹介『ゴースト/もういちど抱きしめた
い』などのソン・スンホン。さらに2010年10月紹介『黒く濁
る村』などのキム・サンホ、『ミス・ギャングスター』など
のラ・ミラン、韓国のダコタ・ファニングと言われる子役の
ソ・シネらが脇を固めている。
タイトルを見てコメディと聞いた時には、これは有り勝ちな
ラヴコメを想像した。ただヒョウジン監督の以前に紹介した
作品でも、社会性など巧みに取り入れていたから、その辺で
いろいろ捻りは利かせてくるだろうという期待は持って作品
を鑑賞した。その結果は期待以上だった。
発端から本筋に至るまでの導入部は既にあるかなとも思える
し、そこからの生活環境のギャップによって生じる笑いなど
もありそうな感じなのだが、その全体の描き方が上手いとい
うか、何となく嵌ってしまう感じがして、観ていて心地の良
さを感じる作品だ。
しかも最初から提示されている結末が徐々に迫ってくる展開
はそれ自体も上手いと言えるのだが、そこにさらに2重3重
に仕掛けが施されていて、これは思わず唸ってしまう見事な
エンディングになっている。巧みなファンタシーで、こうい
うのが本当に自分の観たかった作品だ。
公開は8月13日より東京シネマート新宿、以後8月20日より
イオンシネマ名古屋茶屋、9月3日より大阪シネマート心斎
橋と、全国順次ロードショウとなる。
『チリの闘い第1部:ブルジョワジーの反乱』
“La batalla de Chile: La lucha de un pueblo sin armas
- Primera parte: La insurreción de la burguesía”
『チリの闘い第2部:クーデター』
“La batalla de Chile: La lucha de un pueblo sin armas
- Tercera parte: El poder popular”
『チリの闘い第3部:民衆の力』
“La batalla de Chile: La lucha de un pueblo sin armas
- Segunda parte: El golpe de estado”
昨年日本公開された『光のノスタルジア』『真珠のボタン』
のパトリシオ・グスマン監督が1973年のチリの国情を描き、
1975年、1976年、1979年に発表したドキュメンタリー。
チリでは1970年にチリ社会党のサルバドール・アジェンデが
大統領となり、世界で初めて自由選挙によって合法的に選出
された社会主義政権が成立した。しかしアメリカ=ニクソン
政権は、お膝元の南米での政変を良しとしなかった。
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07月31日(日)
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