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On the Production
by 井口健二
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■あやしい彼女、COP CAR/コップ・カー、無音の叫び声
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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『あやしい彼女』
2014年に日本でも公開された韓国映画『怪しい彼女』の日本
版リメイク作品。
その写真館は商店街の一角に特別な夜だけ店を開くようだ。
飾り窓にオードリー・ヘップバーンの写真が飾られたその店
で、生活に疲れた73歳の女性がポートレートを撮影した時、
彼女は20歳の姿になる。
そして最初こそ自分の変身に気付かず頓珍漢な行動を始めた
女性は、やがてその変化を楽しみ、辛かった人生を取り戻す
べく活動を開始するが…。そこにミュージシャンを目指す孫
や音楽プロデューサーが絡んで物語が展開される。
出演は、2006年6月紹介『夜のピクニック』などの多部未華
子、2010年8月紹介『マザーウォーター』などの小林聡美、
2013年6月紹介『タイム スクープ ハンター』などの要潤。
他に倍賞美津子、金井克子、温水洋一、志賀廣太郎と2013年
8月紹介『陽だまりの彼女』で主人公の中学生時代を演じた
北村匠海らが脇を固めている。
監督は、2008年9月紹介『252生存者あり』などの水田伸
生、脚本は2013年の大河ドラマ『八重の桜』などの吉澤智子
が担当した。
主演の多部は2005年4月紹介『HINOKIO』以来注目し
ている女優だが、その後の作品では監督の力もあるのだろう
けど今一つ力量が発揮できていない感じで、観ていて歯痒い
思いがしていた。
しかし本作では、周囲に倍賞、小林といったベテランがいた
お蔭もあるのだろうが、素晴らしい演技が展開されている。
特に台詞廻しには正に73歳→20歳の雰囲気が出ており、本人
は苦手だとする歌唱シーンも併せて見事だった。
そしてその歌唱では数々の昭和歌謡が披露されるのだが、実
は韓国版のオリジナルは、試写は観たが紹介をしなかったも
ので、それは登場する歌に思い入れがなかったせいもある。
それが本作では見事に嵌ってしまった。
正直に言って僕自身の暮らしは本作の主人公ほど悲惨ではな
かったが、登場する再現シーンには思い出も重なって、見事
に涙腺を刺激されてしまったものだ。そのシーンの多部の演
技も昭和映画風で的確だったと思う。
それは若いスタッフにはパロディの気分かもしれないが、当
時を知る人間には見事な再現だった。
因に2014年の韓国映画は、すでに中国でのリメイクがされて
大ヒットを記録したとのこと、さらにタイ、インドネシア、
インド、ドイツでの製作準備も進んでいるとのことで、それ
ぞれの国で思い出が語られることになるようだ。
公開は4月1日(エイプリルフール)の日から、全国一斉の
ロードショウとなる。

『COP CAR/コップ・カー』“Cop Car”
2017年公開予定“Spider-Man”新シリーズに起用が決まって
いるというジョン・ワッツの脚本・監督で、2013年8月紹介
『ゴースト・エージェント』などのケヴィン・ベーコンが主
演と製作総指揮も買って出た警官ドラマ。
物語の始まりは2人の少年。2人は家出と称して緑の草原を
駆け抜け、雑木林の中に停車した無人のコップ・カーに遭遇
する。そして最初は恐る恐る接近した2人は遂に乗り込み、
マリオカートの要領でコップ・カーを走らせ始める。それが
とんでもない事件に繋がって行く。
共演は、少年役に本作が映画デビューのジェームズ・フリー
ドスン=ジャクスンと、昨年“Carver”というホラー作品に
主演し本作が2作目のヘイズ・ウェルフォード。
他に、2005年のハリウッドリメイク『ダーク・ウォーター』
に出演のカムリン・マンハイム、2014年7月紹介『フライト
・ゲーム』に出演のシェー・ウィカムらが脇を固めている。
脚本・監督のワッツは2010年に“Clown”と題されたホラー

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02月14日(日)
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