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On the Production
by 井口健二
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■復讐したい、夜会VOL.18−橋の下のアルカディア−劇場版、SHERLOCK 忌まわしき花嫁、リップヴァンウィンクルの花嫁、華魂 幻影
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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『復讐したい』
2005年8月紹介『あそこの席』『@ベイビーメール』などが
公開された2005年以降、20作品以上が製作されているという
山田悠介原作の映画化。もっともその内の6本は『リアル鬼
ごっこ』だが…。
物語の背景は、犯罪被害者の遺族が犯人を復讐のために殺す
ことが許されるという「復讐法」が施行されている近未来。
主人公は、通り魔的な犯罪者に妊娠中の妻を殺された教師。
彼は元々は「復讐法」には反対だった。そんな主人公が絶海
の孤島に設けられた復讐のための施設にやってくる。
この施設で復讐者には各種の武器が支給され、犯罪者には密
かに位置を探知できる発信機が埋め込まれている。この復讐
者が絶対有利の状況下で復讐は開始されるが、復讐を遂げる
までの時間は18時間に限定され、その期限を過ぎると犯罪者
は無罪放免されるという条件も付けられている。
そしてこの施設には、主人公の他に爆弾テロで家族を失った
被害者のグループや両親を友人に殺されたという若い女性も
来ていた。斯くして指令センターの監視の許、主人公らによ
る復讐劇が開始されるのだが…。犯罪者側には武器を奪って
反撃するチャンスも与えられていた。
出演は、名古屋が活動拠点のアイドルグループBoys & Menの
メムバーで2015年4月紹介『サムライ・ロック』などの水野
勝、相手役に2014年5月紹介『キカイダー REBOOT』などの
高橋メアリージュン。
他に、Boys & Menのメムバーの小林豊、本田剛文ら、さらに
2012年6月紹介『闇金ウシジマくん』などの岡田義徳らが脇
を固めている。
脚本と監督は、2009年『湾岸ミッドナイト THE MOVIE』など
1990年代から活動している室賀厚。さすがのベテランが、人
間ドラマも構築した物語を展開している。
山田悠介原作の映画化については2014年3月紹介『パズル』
のときにも書いたが、年配の評論家諸氏の評価が頗る低い。
それは映画の内容が、シチュエーションに手が凝んでいる割
には展開はエピソードばかりで、ドラマがなく人間性が感じ
られないということなのだろうと考えている。
それに対して本作では、ベテランの監督が巧みなドラマ展開
を披露してくれたもので、それは感動の名作という訳ではな
いが、それなりに僕らでも納得できる作品に仕上げられてい
た。特にサブキャラクターのテロリストの描き方が良くて、
その辺での展開や若い女性の存在も良い感じだった。
ただこれが今までの作品をヒットさせてきた若い観客の嗜好
に合うかどうかは判らない訳で、その辺の結果も楽しみにな
るところだ。
公開は2月27日より中部エリアでの先行上映の後、3月5日
から全国ロードショウとなる。
『夜会VOL.18−橋の下のアルカディア−劇場版』
シンガーソングライターの中島みゆきが1989年から続けてい
る舞台の2014年版を劇場向けに収録した作品。
中島みゆきの関連では、実は昨年劇場公開されたコンサート
映像も試写を観せて貰っていたが、そちらは正しく演奏会の
収録という作品で、映画としての評価を控えたものだ。それ
に対して本作には物語性もあってこれは評価の対象とした。
その物語は題名にもある橋の下を舞台にしたもので、そこに
は占い師らしい女性とカウンターバーの代理ママの女性など
が暮らしている。ところがそんな彼女らに治水工事か何かの
関係で立ち退きを迫られる。
そしてその立ち退き告知のために警察官の若者が街にやって
くるが…。実は彼と彼女らには、遠い昔から続く橋の建設を
巡っての深い因縁があった。
そんな物語が、46曲の書き下ろし楽曲を含む2幕物として、
中島みゆきの脚本、作詞、作曲、歌、主演で綴られる。そし
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01月17日(日)
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