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On the Production
by 井口健二
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■2014年Best10、TM NETWORK THE MOVIE 1984 30th ANNIVERSARY
明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
ということで、新年最初は2014年の僕的なSF映画ベスト
10の発表から。選考対象は2014年度の公開作品で、試写を観
せて貰った中から選びます。
1位:インターステラー(11月9日紹介)
2位:ホドロフスキーのDUNE(3月9日紹介)
3位:ガガーリン 世界を変えた108分(11月9日紹介)
4位:her/世界でひとつの彼女(4月6日紹介)
5位:茜色クラリネット(9月21日紹介)
6位:ヲ乃ガワ(9月21日紹介)
7位:エンダーのゲーム(2013年12月8日紹介)
8位:ALL YOU NEED IS KILL(6月8日紹介)
9位:スノーピアサー(2013年11月17日紹介)
10位:スガラムルディの魔女(10月19日紹介)
1位は、現時点で21世紀のSF映画ベスト1と呼べる作品。
実はこの試写に続けて別の試写を観に行ったら、同じ流れで
来たらしい人物が「『2001年』と同じじゃねえか」と怒鳴り
散らしていた。しかし本作がそんな単純なものでないことは
SF映画ファンならすぐに気付くところで、20世紀の名作へ
のオマージュも含めて実に周到に作られている。特に最後に
その名作に関りながら不満を漏らしていたアーサー・C・ク
ラークの映像が登場したのは驚き以上の感激だった。
2位は、ドキュメンタリーでフィクションではないが、SF
映画に関るものだし、ある意味フィクション以上にファンタ
スティックと言える内容の作品だった。しかも本作の中では
作られなかった映画の重要な部分がメビウスらのコンセプト
アートに基づくアニメーションで再現されており、これには
半分映画を観たような気分にもさせてくれた。それにしても
とんでもない映画を作ろうとしたものだが、これが実現して
いたらSF映画は根本から違っていたのだろう。
3位は、この作品も史上初の宇宙飛行士の伝記映画であって
フィクションとは言い難い。しかし映画の背景は宇宙旅行が
まだ夢物語=SFであった時代のものだし、その点ではSF
と言っても良いものだ。しかも映画の中では、話には聞いて
いたがまさかと思っていた宇宙からの帰還の様子が目の当た
りの映像で再現され、これは興味のある人には最高の見もの
と言える。ソ連=ロシアは国家の体制が変って、このような
作品が次々出てくるのも楽しみだ。
4位は、スカーレット・ヨハンセンが声の出演だけで映画祭
の女優賞を獲得したという作品。ヨハンセンが絡んだ作品で
はこの後に『LUCY/ルーシー』(8月17日紹介)が公開され
て、内容的にも対のような2本のどちらを選ぶかは迷ったと
ころだ。実は他のサイトでベスト10を頼まれて、そちらでは
男性向け映画という括りもあったので、ベッソン作品の方を
選んだが、純粋にSFならこちらにするかな。それにしても
ヨハンセンはマーヴェル物にも出てSFが満開だ。
5、6位には、日本映画を選出。実は日本SF作家クラブが
贈賞するSF大賞の推薦も依頼されていたが、この賞は選考
の対象期間が9月まででこの2本は来年度。去年はその辺が
モヤモヤして推薦自体を止めてしまった。特に『茜色…』は
もっと話題を盛り上げたいという気持ちもあるので、来期の
推薦は忘れないようにしたい。『ヲ乃ガワ』は自らスチーム
パンクと名告る洒落っ気も気に入ったが、内容でもSF的な
捻りもいろいろあって面白い作品だった。
7位は、ベストセラーにもなったというSF小説の映画化。
原作はミリタリーSFと言う触れ込みもあったので読まない
でいたが、映画化は確かにその見方も出来るものの全体的に
は反戦的な色合いも強く感じる作品だった。それで原作にも
目を通したが、その結末では微妙に暈されてはいるものの、
確かに映画の結末も読み取れる。映画の製作者には原作者も
名を連ねているから、これが本心なのだろう。その点も巧み
と言える作品だった。
8位は、トム・クルーズ主演作で、前年は『オブリビオン』
を1位に選んだが、今年はこの順位。RPGから想を得たと
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01月04日(日)
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