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On the Production
by 井口健二
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■想いのこし、さらば愛の言葉よ
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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『想いのこし』
岡田将生と広末涼子がポールダンサーを演じることが話題に
なっている、死後の霊魂を題材にしたファンタシー色の濃い
作品。
岡田が扮する主人公は、ダフ屋のバイトでその日暮らしを続
けているような典型的なダメ男。そんな男が大枚を稼いだ浮
かれ気分で車道に飛び出し、交通事故を引き起こす。その事
故で彼自身は無事だったのだが。
その事故に巻き込まれたのは、広末扮する女手一つで息子を
育ててきた女性らポールダンサー3人とそのマネージャー。
1人は結婚間近だったり、現世にいろいろと未練のある4人
の霊魂が主人公の前に現れる。
そして最初の内は戸惑っていた4人も徐々に状況を把握し、
主人公を通してだけ現世につながりを持てると知った4人は
彼を利用して現世に残した想いを叶えようとし始める。その
行動に最初は理解できない主人公だが…。
共演は、2010年5月紹介『君が踊る、夏』などの木南晴夏、
「ゼクシイ」のキャンペーンガールで本作が映画デビューの
松井愛莉、2008年9月紹介『カフェ代官山2』で主人公の子
供時代を演じていた巨勢竜也、それに鹿賀丈史。
監督は、テレビで『JIN−仁−』シリーズなどを手掛けた
平川雄一郎。脚本は、舞台演出家でもあり、2010年に本作の
原作『彼女との上手な別れ方』を発表した岡本貴也。原作者
自らの脚色ということだ。
原作者でもある脚本家は、早稲田大学大学院で物理学修士号
も取得しているということで、それなりの想いもあってのこ
のテーマと言うことになりそうだ。それで作品自体はファン
タシーとして巧みに作られている。
同様のテーマでは、日本映画でも『黄泉がえり』『ツナグ』
などいろいろ作られていて、後者は平川監督の作品でもある
ようだが、いずれも試写では観ていなかった。でもまあ元を
糺せば『ゴースト/ニューヨークの幻』があるものだ。
そんな中で、一番の問題は如何にして霊魂が現世に物理的な
影響を与えるかという点になるのだが、本作の処理は流石に
巧みに作られている。それはまあSFファンでもないと混乱
するかもしれないが、これはこれで辻褄は合っていた。
その他に話題の岡田と広末のポールダンスは、多分グリップ
などを使っているのだろうが、それなりに観られるものには
成っていたかな。写し方などもう少し工夫も欲しかったが、
過去の同様の作品よりは良かったと言えそうだ。
公開は11月22日から、全国ロードショウとなる。

『さらば、愛の言葉よ』“Adieu au langage”
フランス・ヌーヴェルヴァーグの旗手とも呼ばれたジャン=
リュック・ゴダール監督が、齢80歳を超えて3Dに挑戦した
作品。
物語は男女の出会いと葛藤を描いたもので、この物語自体に
さほどの意味合いは感じられなかった。しかしそれを描き出
す3Dの映像はかなり強烈で、そこにこそゴダールの狙いが
あることは容易に判る作品だ。
因に本作の試写会は、特別にハリウッドメジャー日本支社の
試写室を借りて実施されていたが、これは3D以外での上映
が一切禁止されていためだそうだ。それくらいにゴダールが
3Dのこだわった作品と言えるだろう。
その3D映像でゴダールは、本来なら掟破りとも言える表現
にも挑戦している。それは何と左右のカメラで別々の被写体
を撮るというものだ。
そこで一瞬は二重露光のような奇妙な感覚になるが、気付い
て左右片方ずつウィンクしながら見るようにすると、そこで
は別々の被写体が見えてくる。しかもそれがドラマに併せて
表現されるのも新しい感覚だった。
この辺は、正にヌーヴェルヴァーグの実験映画の感覚が再現

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10月26日(日)
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