ID:47635
On the Production
by 井口健二
[459961hit]
■初夏のパン祭り、ゴール・オブ・ザ・デッド、メトロ42
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
『影なきリベンジャー【極限探偵C+】』“C+侦探”
『冷血のレクイエム【極限探偵B+】』“B+侦探”
『コンスピレーター謀略【極限探偵A+】』“同謀”
『惨殺のサイケデリア』“追凶”
2007年5月紹介『ゴースト・ハウス』などのダニー&オキサ
イド・パン兄弟による4作品が「初夏のパン祭り」と称して
連続公開されることになり、纏めて観させてもらった。
上の3本はオキサイド監督による第1作が2007年、第2作が
2011年、第3作が去年発表された3部作で、1と2の間が少
し開いているが、タイトルはC→Bの順になっているから、
Aで終る3部作は予定通りだろう。
物語は、タイ・バンコクの中華街で開業している私立探偵が
主人公。彼は警察の捜査にも協力して実績も上げているが、
実は幼いころに両親が行方不明になり、探偵稼業の目的には
両親の行方を探すことも含まれている。
そんな主人公の許に1人の女性の捜索が依頼される。ところ
が彼が情報収集を開始すると、その行く先々で次々に遺体が
発見され…
出演は、3部作通じての主演が2010年4月紹介『殺人犯』な
どのアーロン・クォック。共演者として2013年12月紹介『大
捜査の女』などのリウ・カイチーらが登場する。
パン兄弟というと、2008年10月にハリウッド版リメイクを紹
介した2002年『the EYE』を始め、かなり鮮烈なホラー作品
で注目されるが、本作は比較的まともな探偵もの。
第1作では被害者の霊が主人公を導いているような描写があ
り、第2作では多重人格が描かれるが、いずれも添え物程度
で、全体的にはストレートなサスペンススリラーだ。
ただしその裏側には主人公の両親の行方など、巧みで壮大な
物語が構築されている。しかもその物語を5年以上も掛けて
じっくり織り上げているのだから、かなり入魂の作品とも言
えそうだ。
とは言うもののホラーファンには少し物足りないかな。特に
第1作では仄めかしがあるだけに、ちょっと残念感は生じて
しまった。そんな気持ちをなだめてくれる4本目は、ダニー
監督による2012年の作品だ。
作品は英語題名が“Fairy Tale Killer”とされているもの
で、そのタイトルの通りのお伽噺に擬えた惨劇が描かれる。
ただそれだけだと類似の作品は見つかりそうな感じだが、そ
こに展開される主人公の立場を絡めた物語が絶妙だ。
僕自身、最初の内は少し引き気味だったが、クライマックス
では思はず手を打ってしまった。テーマ的にはオキサイドの
3部作に通じるところもあり、これは見事な4作品だと思わ
せる。
上映は、オキサイドの『C』が5月3日から、『B』が10日
から、その後にダニーの作品を17日から挟んで『A』が24日
から、東京はシネマート六本木で、それぞれ1週間ずつの連
続公開となる。
『ゴール・オブ・ザ・デッド』“Goal of the Dead”
今年のワールドカップを見込んでの作品かどうか判らないけ
ど、普段からサッカーを応援していると思わずニヤリとして
しまう今年発表のフランス映画。
主人公はトップリーグに所属するフォワードの選手。しかし
ベテランの彼が主戦力のチームはリーグ戦の戦績は芳しくな
いようだ。そんなチームがカップ戦のために主人公の故郷に
やってくる。それは主人公には凱旋のはずだが…。
どうやら主人公の地元チームからトップリーグのチームへの
移籍の際に確執があったらしく、地元では彼への風当たりが
かなり強い。その上、当時からの選手の1人は父親に謎の薬
品を投与されてモンスター化していた。
しかもそのモンスター化の症状には感染性があり、逃亡した
男がスタジアムに向かう道筋にモンスターが増殖。ついに男
[5]続きを読む
04月13日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る