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On the Production
by 井口健二
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■戦慄怪奇ファイル コワすぎ!史上最恐の劇場版、ニューヨーク冬物語
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!史上最恐の劇場版』
2004年頃から数多くのホラー作品を手掛けている白石晃士監
督が、2012年以降にオリジナルヴィデオで発表している怪奇
シリーズの劇場版最新作。
シリーズのコンセプトは、映像制作会社のディレクター工藤
とアシスタント市川、それにカメラマン田代の3名が、全国
から寄せられる様々な都市伝説や怪奇現象の投稿を基に、そ
れらを調査し報告するというもの。
そこで彼らは、今までにも口裂け女や幽霊、河童、トイレの
花子さんなど様々な題材を取材しその真相に迫ってきた。
そんな彼らが今回取材するのは…、そこに足を踏み入れた者
は全員が発狂し行方不明になるという廃村タタリ村。しかも
その村には前作でその真相に迫った『四谷怪談』の原作者・
鶴屋南北が暮らしたこともあるという。
そして今回その村に向うのは、3名の他に浄霊師の宇龍院と
物理学者の斎藤、それにアイドルの小明。しかし電力会社に
よる立入禁止の札を無視して踏み入れたその場所で、彼らは
飛んでもない出来事に遭遇することになる。
典型的なPOV形式の作品だが、同行のアイドル役にはヴァ
ラエティ番組に出演したり著作も出版しているという本人が
登場するなど、それなりに気合の入った作品のようだ。でも
全体の雰囲気は安っぽさが横溢している。
とは言うものの、作品のそこここには真面目さも感じられ、
その辺でファンがいるのも頷けるかな。特に物語の後半では
SF的なアイデアも盛り込まれて、それはマニアックと言え
なくもない作品にはなっていた。
出演は、2007年1月紹介『さくらん』に出ていたという大迫
茂生と、2011年白石監督の『超・悪人』にも出ている久保山
智夏。この2人がレギュラー出演者。他に2004年『GODZILLA
FINAL WARS』に出ていたという宇賀神明広、ヴァラエティ・
アイドルの小明らが脇を固めている。
因に白石監督は、脚本と撮影、VFXも担当している他に、
カメラマン役も演じているようだ。
POV形式のホラー作品はお手軽と思われているのか、日本
でも海外でも次々に作られている。その中で海外の作品では
学生などが主体のものが普通だが、日本では映像制作会社が
絡むという設定が目に付く。
それは撮影はプロが行うという設定になるから画像なども見
易くて結構なのだが、映像制作会社という通常はあまり知ら
れていない人たちが前面に出てくるというのは、オタク文化
の日本特有のものかもしれない。
ただこの設定だと、内容も似たりよったりになってしまうも
ので、投稿ヴィデオを検証に行って巻き込まれるというのは
先にも観ているものだ。そこからの発展が生み出しにくいの
もこれからの問題になりそうだ。
公開は5月3日から、東京は渋谷アップリンクで行われる。
また本作の公開を記念して、シリーズ過去作も4月26日から
一挙公開になるようだ。
『ニューヨーク冬物語』“Winter's Tale”
1983年に発表されたマーク・ヘルプリン原作の長編小説を、
2002年3月紹介『ビューティフル・マインド』でオスカーを
受賞したアキヴァ・ゴールズマンが脚色し、自らの劇場映画
初監督で映画化した作品。
物語の発端は19世紀末のニューヨーク・エリス島。今年1月
に紹介した『エヴァの告白』にも描かれたアメリカ合衆国の
移民局で、1組の夫婦が病のため移民を拒否される。しかし
諦め切れない夫婦はせめて子供だけでもと、乳飲み子を模型
の船に乗せて送り出す。
そして物語は1920年代、ニューヨークの下町を逃走する男が
凶悪な集団に追い詰められる。ところがそこに白馬が現れ、
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03月30日(日)
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