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On the Production
by 井口健二
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■僕がジョンと呼ばれるまで、KILLERS/キラーズ、ダーク・ブラッド
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が書きたい作品をセレクトして紹介しています。なお※
※文中の物語に関わる部分は伏せ字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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『僕がジョンと呼ばれるまで』
アメリカの老人ホームでアルツハイマーの治療に挑む介護の
様子を描いたドキュメンタリー。
タイトルはちょっと奇をてらった感じもするが、作品のプロ
ローグでその意味が説明され、それは重大な事柄であること
が明らかになる。その部分から僕は一気に作品に引き摺り込
まれてしまった。
実は自分の母親が認知症で、現在は老人ホームに入所させて
いるものだが、その症状は作品の中で2番目に紹介されるお
婆さん程度かな、正にそんな実体験に照らし合わせても納得
のできる作品だった。
そして作品では、日本の大学教授の提唱による「学習療法」
が紹介されるが、この治療効果が実に目覚ましい。それは俄
かに信じられないほどのもので、例えば駒を箱に戻すことも
出来なかった女性が、毛糸のマフラーを編み始めるのだ。
因にこの「療法」は、東北大学加齢医学研究所センター長の
川島隆太教授が提唱しているものだが、日本ではいくら厚労
省に申請しても認可が得られないそうで、今は考えを変えて
アメリカでの実践を試みその様子が記録されている。
それにしてもこの「療法」は、日本でもすでに18000人に対
し実施して効果を挙げているものだが、未だにその成果に懐
疑的な医療関係者が多いのだそうで、そんな閉鎖的な日本の
医療が普及を拒んでいるようだ。
それはこの「療法」が脳科学という人間特有の研究に基づく
もので、マウスなどの動物実験が基礎に置かれる日本の医療
研究に合致しない。そのため厚労省などが医療として取り上
げる視野にも入っていないとのこと。
しかし本作を観る限りにおいてはその効果は抜群のもので、
今すぐ自分の母親にもやって欲しくなった。それは僕だけで
なく認知症の家族を抱える全ての人の願いでもある。特に家
族を思い出してくれることが最高なのだ。
とは言え、老人ホームに入所させているとそれもままならな
いもので、今はできるだけ多くの関係者がこのドキュメンタ
リーを観て、この「療法」のことを知って欲しいと痛切に思
っている。
公開は3月1日から、東京は恵比寿にある東京都写真美術館
ホールでロードショウになる。
なお作品は東北大学のお膝元である仙台放送が制作したもの
だが、アメリカでの取材は2011年5月〜11月で、その頃の仙
台の状況を考えると、取材者たちの葛藤にもドラマがあった
のでは…と思わせるものだ。
また本作はアメリカでの一般公開はされていないようだが、
もし公開されてアカデミー賞の候補になったらと思うと、映
画の内容に合わせて愉快な気分にもなる作品だった。

『KILLERS/キラーズ』“Killers”
日本とインドネシアの合作で、監督はインドネシアのモー・
ブラザース、主演は日本の北村一輝とインドネシアのオカ・
アンタラという作品。なお本作は2月1日に封切られたが、
試写が直前に1回だけという状況だったので今回紹介する。
主人公は、東京とジャカルタに住む2人のシリアルキラー。
物語の始まりは東京側の殺人者。彼は若い女性を拉致しては
自宅の地下スタジオに連れ込み、女性を撲殺してその様子を
ネットにアップしていた。
一方、ジャカルタ側は正義感に燃えるジャーナリストだった
男。しかし追求していた大物の手下に命を狙われ、反撃して
相手を殺してしまう。そして先から殺人者のサイトに感化さ
れていた彼はその様子をネットにアップしてしまう。
すると程なくして‘I Found You!’というメールが彼のPC
に届く。こうして互いの存在を認知した殺人者たちは、それ
ぞれの環境の中で相互に影響を与え合いながら凄惨な犯行を
繰り返して行く。

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02月02日(日)
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