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On the Production
by 井口健二
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■ハル・ハートリー、黒執事、神奈川芸術大学映像科研究室、ゼウスの法廷、マイティ・ソー2、トップ・オブ・ザ・レイク、オッド・トーマス
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。 ※
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『ハル・ハートリー』
アメリカインディペンデンス映画の雄とも呼ばれる映画監督
ハル・ハートリーの作品4本が特集上映されることになり、
各作品の試写が行われた。
『はなしかわって』“Meanwhile”
2011年の作品で上映時間は59分。
監督の第11作だが、前作からは5年ぶりの作品とのこと。舞
台はNY。主人公は何やら素性がよくわからない男性。その
主人公がブルックリン橋から身を投げたかもしれない女性を
助けようと奔走するなど様々なエピソードが語られる。中編
だが、それを感じさせない見事な内容の作品だった。
『アンビリーバブル・トゥルース』
“The Unbelievable Truth”
1989年の長編監督デビュー作。
NY郊外の町を舞台に、刑期を終えて故郷に帰ってきた青年
と周囲の人々との確執が描かれる。青年は車の整備工場に職
を得るが、そこには原発の危険やオゾン層破壊の危険を訴え
る少女などもいて…。オフビートな感覚だが、青年が犯した
罪の真相など、謎解きの構成も巧みな作品だった。
『シンプルメン』“Simple Men”
1992年作品。
日本でも劇場公開された作品で、その広告には故淀川長治氏
の推薦文があったそうだ。兄は犯罪者、弟は実直という兄弟
が、テロ犯として服役中だった父が脱獄したとの知らせに、
潜伏先と思われる町に向かうが…。その旅での出来事を描く
ロードムーヴィ風の作品。
『愛・アマチュア』“Amateur”
1994年の東京国際映画祭でヤングシネマ部門のシルバー賞を
受賞した作品。
舞台はNY。主人公は尼僧からポルノ作家に転職したという
女性。その女性が仕事場にしている酒場に、殺されかけて記
憶を失った男が現れる。そして主人公は男を保護するが…。
そこに国際犯罪組織や、ポルノ映画のディーヴァなどが絡ん
で、かなり尋常でない物語が展開される。
それぞれの作品は、フランス・ヌーヴェルヴァーグにも通じ
る見るからに低予算で、内容はオフビート。しかし登場人物
たちは、本当は悪人かもしれないが観客にはどこか愛すべき
連中で、その人物たちが懸命に生きている姿が描かれる。そ
れは観ていて心地よさに溢れる4作品だった。
公開は1月18日から、東京は新宿K's Cinemaにて。なお上映
は4作品が入れ替えで行われるので、上映時間等は映画館に
問い合わせて欲しい。2月15日から横浜ニューテアトルでも
上映が予定されている。
『黒執事』
枢やなの原作で2006年に連載開始され、すでに2度のテレビ
アニメ化も行われて、17巻出版されている単行本では海外を
含む発行累計が1600万部に達するという大人気コミックスの
実写映画化。
物語の舞台は、世界の主権が東西2つの陣営に分裂している
近未来。その西側陣営は女王が支配し、世界征服を目論む女
王は東側に「女王の番犬」と揶揄される諜報組織を送り込ん
でいる。
そして物語の主人公は、東陣営で巨大企業を営む名門貴族の
当主。と言ってもまだ幼い風貌の少年だが、彼には黒装束の
執事が常に付き従い、その執事は身をもって主人の命を守り
通していた。
そんな彼らに「女王の番犬」が次々怪死を遂げる事件が報告
される。その事件の真相を探るため彼らはとある秘密クラブ
に潜入を試みるが…。そこには東西陣営を揺るがす巨大な陰
謀が潜んでいた。
出演は、剛力彩芽、水嶋ヒロ。共演は優香、志垣太郎、山本
美月。さらに岸谷五朗、伊武雅刀、宮川一朗太らが脇を固め
ている。
脚本は、2011年のテレビ『謎解きはディナーのあとで』など
の黒岩勉。監督は2005年『NANA』などの大谷健太郎と、
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12月15日(日)
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