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On the Production
by 井口健二
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■マイヤーリング、ネオ・ウルトラQ、楊家将〜烈士七兄弟の伝説〜、愛しのフリーダ、ブランカニエベス
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。 ※
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『マイヤーリング』“Mayerling”
アナトール・リトヴァク監督が、1957年に当時夫婦だったメ
ル・ファーラー、オードリー・ヘップバーンを主演に迎え、
1936年の自作『うたかたの戀』をテレビ番組用にリメイクし
た作品。
1881年、オーストリア=ハンガリー帝国は皇帝ヨーゼフ1世
の治世の下、世界有数の大国として繁栄を続けていた。その
首都ウィーンの宮廷に暮らす皇太子ルドルフは23歳。進歩的
な母親の影響で自由主義思想を信奉していたが、宿命は逃れ
られず、父王が決めた望まぬ結婚を余儀なくされる。
それから7年後、不幸な結婚の憂さを独身時代以上の放蕩で
紛らわせるルドルフの前に1人の女性が現れる。彼女は外交
官を父に持つ17歳のマリー。その清楚な姿と優しい心に魅了
されたルドルフは、初恋のような思いに駆られることになる
が…。その恋路は険しく厳しいものだった。
番組は、1954年からアメリカNBCで不定期に放送されてい
た“Producers' Showcase”という枠の中で1957年2月4日
に制作されたもので、この製作費には当時のテレビ番組では
破格の50万ドルが掛けられたとのことだ。
しかし当時のテレビ番組は生放送が基準で、本作も俳優が演
じる場面は生放送されている。しかもVTRはまだ実用化の
初期段階で、本作も1回放送されただけのうたかたのような
作品とされていた。
ところが今年、その番組のテレビ画面をフィルムで撮影した
キネスコープの存在が判明し、そのフィルムをマスターとし
て最新のディジタル技術を駆使し復元した映像が公開される
ことになったものだ。
従ってこの作品には、当時26歳の2度と観ることが叶わない
はずだったオードリーが登場する。しかも画質は多少の傷は
あるものの驚くほど鮮明で、音声も見事に復元されており、
オードリーのファンならずとも必見と言える作品だ。
共演はレイモンド・マッセイ、ローン・グリーン。
またスタッフでは、衣裳を1948年『ジャンヌ・ダルク』など
3度のオスカーに輝くドロシー・ジーキンズ、音楽監督を、
1939年『オズの魔法使い』も手掛けたジョージ・バズマン。
さらにメイクアップにディック・スミスの名前が登場したの
は嬉しい驚きだった。
因に本作はカラー放送だったようだが、残念ながらキネスコ
はモノクロ。しかしその華麗さは充分に伝わってくる。正に
貴重な作品だ。
今年6月ベルリンでワールドプレミアされた作品で、日本で
は来年1月4日から、東京はTOHOシネマズ六本木ヒルズと、
大阪はTOHOシネマズ梅田で特別限定公開となる。
『ネオ・ウルトラQ part.1』
今年1月から3月に有料放送のWOWOWで放送された番組が、
3話ずつと旧作『ウルトラQ』をカラー化した1本をセット
にして、11月9日から4ヶ月、毎月9日をQの日として劇場
レイトショウ公開されることになり試写が行われた。作品は
いずれもすでに放送されたものだが、劇場では初公開なので
紹介することにする。
そのpart.1は、第8話「思い出は惑星(ほし)を越えて」、
第9話「東京プロトコル」、第7話「鉄の貝」、そして旧作
第1話の「ゴメスを倒せ!」
新作の3本はひとまず置くことにして、カラー化された旧作
は弾丸道路のトンネル工事現場で掘削が空洞に突き当たり、
そこから怪獣が登場するというもの。その前には謎めいた球
体の化石が掘り出されており、その両者が太古からの戦いを
繰り広げる。
内容的には『ゴジラ』や『ラドン』『モスラ』も連想させる
ものだが、それを30分の枠の中に実に手際よく纏めており、
円谷プロダクションの第1作として正に「これでしょ!」と
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11月03日(日)
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