ID:47635
On the Production
by 井口健二
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■キャリー、メタリカ・スルー・ザ・ネヴァー、ザ・コール緊急通報指令室、ドラゴン・フォース、いとしきエブリデイ
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。    ※
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『キャリー』“Carrie”
1976年にブライアン・デ・パルマ監督により製作され、同作
に出演したシシィ・スペイシクとパイパー・ローリーが、共
に翌年の米アカデミー賞で演技賞の候補となったスティーヴ
ン・キング原作ホラー作品のリメイク。
今回の物語はキャリーの誕生シーンから始まる。信心深い母
親は妊娠を汚れた行為の結果として嫌悪するが、最初は抹殺
しようとしていた我が娘を前にその決意は揺らいでしまう。
こうして生き延びたキャリーだったが、偏執的な母親の家庭
教育は歪んだものになっていた。
それでも高校生になるまで成長したキャリー。しかし貧相な
体躯と内向的な性格はいじめの対象となる。しかも母親から
生理の知識を与えられなかったキャリーは、体育の授業後の
シャワー室で訪れた初潮にパニックになり、さらなるいじめ
に遭うと共にその様子を動画撮影されてしまう。
これに対して学校側は、いじめに参加した生徒にプロムへの
参加禁止などの罰を課すが、それに反抗する生徒も現れる。
一方、いじめを傍観して罪の意識に目覚めた1人の女子生徒
は、罪滅ぼしとしてステディのボーイフレンドにキャリーを
プロムに誘うことを頼むが…
出演は、キャリー役に昨年5月紹介『ダーク・シャドウ』な
どのクロエ・グレース・モレッツ。オリジナルのスペイシク
は撮影当時25歳だったことが後に判明して話題になったが、
モレッツは1997年生まれ、正に16歳の実年齢でキャリーを演
じている。
そして母親役には、昨年10月28日付「第25回東京国際映画祭
《コンペティション部門》」で紹介の“What Maisie Knew”
(日本公開題名:メイジーの瞳)などのジュリアン・モーア
が扮している。
他に、昨年1月紹介『ファミリー・ツリー』などのジュディ
・グリア、今年8月紹介『クロニクル』などのアレックス・
ラッセル、2011年9月紹介『三銃士』でヒロイン役のガブリ
エラ・ワイルド、さらに新人のポーシャ・ダブルデイ、アン
セル・エルゴートらが脇を固めている。
1979年のオリジナルは、エイミー・アーヴィング、ウィリア
ム・カット、ナンシー・アレン、ジョン・トラヴォルタらを
ブレイクさせたことでも知られるが、今回の配役の中からも
ブレイクする若手は現れるのだろうか。
脚本は、2011年9月紹介『glee/グリー』のテレビシリーズ
などを手掛け映画は初のロベルト・アギーレ=サカサ。なお
脚本には、オリジナルを手掛けたローレンス・D・コーエン
の名前もクレジットされていた。
そして監督は、1999年の『ボーイズ・ドント・クライ』で主
演のヒラリー・スワンクにオスカー受賞をもたらし、本作が
3作目となるキムバリー・ピアース。
オリジナルはヒッチコックの後継者を自認するデ・パルマが
見事なサスペンス・ホラーに仕上げたものだが、そのデ・パ
ルマとの親交もあるという本作の女性監督は、女性の立場か
ら見たキャリーと母親の関係、さらにはキャリーをいじめる
女生徒たちの姿を巧みに描いている。
また本作では、スマホやSNSなどの要素も取り入れて、見
事にキャリーを現代に蘇らせたものだ。そしてそれはあまり
にも切ない青春ドラマとして、現代の若者たちに問いかける
作品にもなっている。
公開は11月8日から。全国一斉のロードショウとなる。

『メタリカ・スルー・ザ・ネヴァー』
            “Metallica Through the Never”
2007年11月紹介『ダーウィン・アワード』ではカメオ出演、
2011年11月紹介『メタルヘッド』には楽曲を提供していたア
メリカの人気ロックバンド「メタリカ」のライヴコンサート
の模様を収めた仕掛けもたっぷりの作品。

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10月20日(日)
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