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On the Production
by 井口健二
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■蠢動、セイフ・ヘイブン、トミカ・プラレール映画まつり
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。 ※
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『蠢動』
1958年生まれ、高校生だった1970年代に8mmで複数本の時代
劇やアクション映画を自主映画として発表し、話題になって
いたという三上康雄が、1982年に16mmで自主制作した時代劇
を劇場用にリメイクした作品。
舞台は享保20年、山陰の因幡藩。大飢饉から3年が経ち、漸
く落ち着きを取り戻したように見える藩政に問題が生じる。
それは幕府から派遣されている剣術指南役に不審な動きが見
られるというもの。実は因幡藩では飢饉に備えた隠し倉や隠
し田があり、それを指南役が調べているらしい。そして指南
役が送ろうとした密書には、正にその実態が記されていた。
しかしその密書は奪取され、城代家老はそれを握りつぶすの
だが、折りしも幕府から使者が訪れるという連絡が入る。こ
こでその使者と指南役が会ったらすべてが露見する。この事
態に城代家老はある策略を巡らすが…
出演は、家老役に若林豪、指南役に目黒祐樹、幕府の使者役
に栗塚旭。さらに昨年8月紹介『のぼうの城』に出ていた平
岳大、2009年5月紹介『刺青/匂ひ月のごとく』などのさと
う珠緒、2006年5月紹介『タイヨウのうた』に出ていた脇崎
智史らが共演。
その他、13人の追っ手役にはオーディションで選ばれた若手
俳優たちが半年間の殺陣などの訓練を受けて出演しているそ
うだ。
三上監督は、大学生の時に1962年製作の『切腹』を観て時代
劇を撮りたいと思い、その結果製作されたのが1982年の作品
のようだ。従って本作でも、藩政を守るための執政や、武士
道に名を借りた下級武士への強要など、かなり社会派的な内
容が描かれている。
そして後半の大立ち回りに繋がる展開も設けられているが、
この剣戟シーンが雪原での野外ロケで、この撮影などはかな
り周到に準備されたと思われるものになっていた。
なお撮影には、殺陣に2010年8月紹介『桜田門外ノ変』など
の久世浩、照明には2010年6月紹介『最後の忠臣蔵』などの
宮西孝明、音響効果も『桜田門外ノ変』などの伊藤進一ら、
日本映画を支えるスタッフが結集しているようだ。
今の時代に、武士の世界を描く物語がどれほど通用するもの
なのかよく判らないが、人間関係の話などはそれなりと思わ
せるし、それに何より時代劇を復活させたいという監督たち
の気持ちはしっかりと感じ取れる作品だ。
『セイフ・ヘイブン』“Safe Haven”
2004年11月紹介『きみに読む物語』などのニコラス・スパー
クスの原作を、昨年11月紹介『砂漠でサーモン・フィッシン
グ』などのラッセ・ハルストレム監督が映画化した作品。な
お2人が組むのは2011年6月紹介『親愛なるきみへ』に続い
て2作目となる。
物語は、犯罪現場から逃走する女性の姿から始まる。彼女は
隣家の老婦人の助けも借りて、身を隠すように長距離バスに
乗車。そしてそのバスが途中で休憩したとある港町で、彼女
はバスを降りる。
その町は時間から忘れられたようにのどかな場所で、そこで
彼女はカフェで仕事を見つけ、古家を借りて暮らし始める。
そして雑貨屋を営むシングルファーザーの男性との付き合い
を深めて行く。
一方、彼女を追う警察はバス乗り場の映像から乗車した路線
を突き止めるが、ボストン発アトランタ行きバスの停留所は
あまりに数が多かった。そこで警察は、捕まれば死刑となる
第一級殺人の指名手配書を作成し、沿線に配布するが…
出演は、2010年11月紹介『バーレスク』や2012年のトム・ク
ルーズ主演作『ロック・オブ・エイジズ』ではヒロイン役を
演じたジュリアン・ハフと、2010年12月紹介『かぞくはじめ
ました』などのジョシュ・デュアメル。
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09月05日(木)
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