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On the Production
by 井口健二
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■ウォールフラワー、ルームメイト、くじけないで
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。 ※
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『ウォールフラワー』
“The Perks of Being a Wallflower”
1999年に出版され、『ライ麦畑でつかまえて』以来の青春小
説の金字塔と謳われた原作を、原作者のスティーヴン・チョ
ボスキー自身が脚色・監督した作品。
主人公は、高校生活が始まったばかりの男子。しかし友達は
0人、国語の担任は優しい声を掛けてくれたが、ランチも食
堂の片隅に1人で座っている。そんな彼が勇気を奮ってアメ
フトの応援席で同じ講座を取っている上級生に声を掛ける。
それが運命の瞬間だった。
そして彼の横には同じく上級生の女子が座ってくれ、試合が
終ると2人は、当然のように彼を行きつけの店に誘ってくれ
た。こうして友達の出来た主人公は、プロムの会場でも壁の
花を卒業し、彼の高校生活は輝き始めるが…。彼には他人に
打ち明けられない大きな心の傷があった。
出演は、主人公に2011年9月紹介『三銃士〜王妃の首飾りと
ダ・ヴィンチの飛行船』でダルタニアンを演じていたローガ
ン・ラーマン。その上級生の友人役に『ハリー・ポッター』
シリーズなどのエマ・ワトスンと、2012年3月紹介『少年は
残酷な弓を射る』などのエズラ・ミラー。
他に、2008年9月紹介『ティンカー・ベル』などのシリーズ
で妖精の声優を務めたメイ・ホイットマン、2012年7月紹介
『声をかくす人』などのジョニー・シモンズ、さらに先生役
では1999年『サイダーハウス・ルール』などのポール・ラッ
ドらが脇を固めている。
脚本と監督は上記のように原作者が務めているが、製作を俳
優であり映画監督でもあるジョン・マルコヴィッチが担当。
マルコヴィッチが主宰するミスター・マッド社では、撮影に
2010年4月紹介『小さな命が呼ぶとき』などのアンドリュー
・ダン、美術に今年4月紹介『プレイス・ビヨンド・ザ・パ
インズ/宿命』などのインバル・ワインバーグ、編集に6月
紹介『スター・トレック イントゥ・ダークネス』のメアリ
ー・ジョー・マーキーら錚々たる顔触れを集めて、新人監督
のデビューを支えている。
自分自身の高校生活と比較すると、舞台がアメリカというこ
とを別にしてもかなりの様変わりは仕方がない。これが現代
なのだろうし…。これが日本の観客に受け入れられるかは、
もはや僕には全く判らないところになってしまった。
でも青春の本質的な悩みなどは変わっていないと思えるし、
それはおじさんになっても共感できるものがあった。こんな
風に悩みながら成長して行くのが青春なのだろう。そんなこ
とを懐かしくも思い出させる作品だった。
『ルームメイト』
北川景子と深田恭子の共演で、凶悪な事件に巻き込まれた女
性を描いたサスペンスドラマ。
北川が演じる春海は派遣社員だった。しかし交通事故に巻き
込まれ、命に別状はなかったが頭を強く打ち脚を骨折して、
しばらく入院することになる。そんな春海を親身になって支
えてくれたのは、深田が演じる看護士の麗子だった。
こうして親しくなった2人は、退院の日が来ても仕事に就け
ない春海に対して麗子がルームシェアを提案。さらに麗子は
交通事故の加害者との交渉も引き受けてくれる。そんな麗子
に信頼を寄せる春海だった。
ところがある日、春海は1人しかいないはずの麗子の部屋か
ら、激しく言い争う声が聞こえてくることに気付く。こうし
て春海の前にマリと名乗る麗子の別人格が現れる。そしてマ
リの人格は次第に凶暴さを見せ始める。
物語は、今年亡くなったミステリー作家今邑彩の同名の原作
に基づくもので、それを2010年8月紹介『making of LOVE』
などの古澤健が脚本・監督。ただし、プレス資料では今邑の
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09月06日(金)
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