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On the Production
by 井口健二
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■遥かなる勝利へ、ロード・オブ・セイラム
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。 ※
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『遥かなる勝利へ』
“Утомленные солнцем 2: Цитадель”
2008年5月紹介『12人の怒れる男』などのニキータ・ミハ
イロフ監督が、1994年『太陽に灼かれて』、2010年『戦火の
ナージャ』に続けて発表したスターリン時代を背景とする戦
争ドラマ3部作の完結編。
と言っても僕は前の2作を観ていなくて、しかも戦場で英雄
とされながらスターリンに粛清された主人公と、その愛娘の
物語には前作に続く部分も多いようで、正直理解がうまく行
かなかった。
しかも映画の最初と最後では同じ戦場が描かれるが、それが
時系列的にどうなっているのかよく判らず、かなりシュール
な印象も持ってしまった。でも後でプレス資料を読んだら、
それは順番に起きた出来事だったようだ。
とは言うものの、激しい戦場に続けて描かれる静寂の風景な
どは、「国敗れて山河あり」ではないけれど戦争の無意味さ
みたいなものは巧みに描いていた。それに僕自身はシュール
な展開でもそれなりにOKな感じもしたものだ。
出演は、主人公をミハイロフ監督自らが演じる他、愛娘役の
ナージャ・ミハイロフ、秘密警察の将校役のオレグ・メンシ
コフらは3作続けての出演となる。因にナージャは監督の実
娘だ。
ただ最後の要塞攻めの結末では、僕としてはちょっとあっけ
に取られたもので、それがシュールな印象を僕に与えたとこ
ろにもなった。また全体がある種の「夢落ち」のような印象
にもなった。これは前作を観ていない僕の勝手な印象になっ
てしまうが、その辺が実際はどういう印象なのかな?
前2作を観ている人は、当然観るべき作品だし、観ていない
僕のような人間には、ちょっと別の見方も出来てしまうが、
それなりに興味深い作品にはなっている。それにスターリン
時代のソ連の恐怖政治は巧みに糾弾されている作品だ。
『ロード・オブ・セイラム』“The Lords of Salem”
2004年7月に『マーダー・ライド・ショー』を紹介している
ロブ・ゾンビ監督による2012年作。
セイラムは17世紀末に「魔女裁判」が行われ、そこで複数の
女性が火あぶりの刑に処せられた場所として知られている。
そのセイラムのラジオ局でDJをしている女性宛に、木箱に
納められた‘The Lords’と記されたレコードが届けられ、
それを試聴した彼女は一時トランス状態に陥る。
以来体調が優れない彼女だったが、その彼女の番組に「魔女
裁判の真実」という本を著した作家がゲスト出演した日、番
組の最後に掛けられたレコードは、セイラム中の女性たちを
同じ状態に陥れる。
そうとは知らず帰宅した彼女は、アパートの女管理人にパー
ティに誘われ已むお得ず参加するが、そこで彼女は管理人の
女友達から呪いのような言葉を聞かされる。それは彼女の出
自にも関るものだった。
主演は、『マーダー・ライド・ショー』にも出演のシェリ・
ムーン・ゾンビ。実生活で監督の妻でもある女優はゾンビ監
督の全作に出演の他、トビー・フーパー監督作品や、2007年
7月紹介『グラインドハウス』のフェイク予告編にも出てい
たようだ。
しかし本作で注目の出演者は彼女だけではない。彼女の番組
に出演する作家役に1971年『ウィラード』などのブルース・
デイヴィスン、アパートの管理人役に1967年『茂みの中の欲
望』などのジュディ・ギースン。
さらに1988年『ゼイリブ』などのメグ・フォスター、1975年
『ロッキー・ホラー・ショー』などのパトリシア・クイン、
1982年『E.T.』の母親役などのディー・ウォーレスなど、
ジャンル映画ファンには涙ものの顔ぶれが出演している。
そう言えば『マーダー・ライド・ショー』でも、先日訃報が
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09月02日(月)
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