ID:47635
On the Production
by 井口健二
[459988hit]

■「フランス映画祭2013」
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※このページでは、明日21日から開催される「フランス映※
※画祭2013」で上映される作品を紹介します。なお、※
※文中物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読ま※
※れる方は左クリックドラッグで反転してください。  ※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
『テレーズ・デスケルウ』“Thérèse Desqueyroux”
オドレイ・トトゥの主演で、フランスのノーベル賞作家フラ
ンソワ・モーリアックの原作を映画化した作品。
物語の背景は1920年代。主人公は家同士が決めた政略結婚を
受け入れた女性。しかし旧態依然とした家族制度が徐々に彼
女を蝕んで行く。主人公は破滅思想とでも言うのかな、とに
かく物事の全てを悪い方向に進めてしまう考え方の持ち主。
そんな女性のダークサイドをトトゥが巧みに演じて行く。
昨年2月紹介『ある秘密』などのクロード・ミレール監督に
よる2011年の作品で、監督は昨年4月に逝去し本作が遺作と
のことだ。
日本での一般公開は未定。

『恋のときめき乱気流』“Amour et turbulences”
リュディヴィーヌ・サニエの主演で、旅客機で隣同士になっ
た男女の恋の経緯を描いたラヴコメディ。
主人公は自身の結婚のためフランスに帰国する途中の女性。
座席がビジネスクラスに振替になりラッキーと思った矢先、
隣の席にやってきたのは、3年前に彼女が恋をし、その未練
を断ち切ったばかりのたプレイボーイだった。
ラヴコメ自体が日本では難しいが、本作は回想シーンを巧み
に取り入れ、それはうまく描かれていた。その回想シーンで
はパリ観光も楽しめる仕組みになっている。
監督は、本作が長編デビュー作となるアレクサンドル・カス
タネッティ。共演は後で紹介する『タイピスト!』にも出演
のニコラ・ブドス。
本作も日本での一般公開は未定。

『ウェリントン将軍〜ナポレオンを倒した男〜』
“Les Lignes de Wellington”
1810年、フランス・ナポレオン皇帝の命によるポルトガル征
服を描いた歴史絵巻。
ナポレオンのヨーロッパ征服というと、北方のロシア戦線で
冬将軍の到来により敗退する話は聞いているが、南方戦線の
話は西洋史の授業でも聞いた記憶がない。しかし当然それは
あったもので、そこではイギリスからの派遣軍とポルトガル
軍の連合戦線が果敢な攻撃を仕掛けていたようだ。
そして連合舞台を率いるイギリス軍のウェリントン将軍には
ある秘策があった。本作はそんな戦いに関った人々の様子を
豪華なオールスターキャストで描いている。
出演は、タイトルロールにジョン・マルコヴィッチの他、マ
チュー・アマルリック、カトリーヌ・ドヌーブ、ミシェル・
ピコリ、イザベル・ユペール、キアラ・マストロヤンニ、メ
ルヴィル・プポー。監督はヴァレリア・サルミエント。
上映時間152分の大作で、日本公開は来年の予定。

『母の身終い』“Quelques heures de Printemps”
2010年11月紹介『君を想って海をゆく』などのヴァンサン・
ランドン主演で、生きることに不器用な母親と息子の姿を描
いた作品。
主人公は長距離トラックの運転手だったが、密輸に絡んで逮
捕服役、出所した時には職を失っていた。そして人生を立て
直そうと母親のもとに転がり込むが、その母親は不治の病で
余命短く、尊厳死を選択しようとしていた。
尊厳死というのは所詮自殺なので個人的に容認できないが、
そこに至る人間ドラマは見事だった。ただ途中で母親が愛犬
に行う行為は意味不明というか…、結果オーライではあるの
だが。
共演は、エレーヌ・ヴァンサン、エマニュエル・セニエ。監
督は本作でセザール賞候補になったステファヌ・ブリゼ。
日本公開は、2013年晩秋に予定されている。

『椿姫ができるまで』“Traviata et nous”
2011年春。エクサンプロバンス音楽祭での上演に向けて行わ
れたヴェルディの名作「椿姫」のリハーサルの模様を記録し
たドキュメンタリー。

[5]続きを読む

06月20日(木)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る