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On the Production
by 井口健二
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■第194回(Blade Runner,The Man from U.N.C.L.E.)
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※このページは、SF/ファンタシー系の作品を中心に、※
※僕が気になった映画の情報を掲載しています。    ※
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 まずはこの話題から。
 リドリー・スコット監督、ハリスン・フォード主演により
1982年に公開されたSF作品“Blade Runner”の続編が計画
されている。
 オリジナルは、アメリカの作家フィリップ・K・ディック
が1968年に発表した長編SF小説『アンドロイドは電気羊の
夢を見るか?』に基づくもので、原作から発想され、『未知
との遭遇』などのダグラス・トランブルが手掛けたVFXに
より映像化された未来都市の景観が評判を呼んで、特に日本
では多数のアニメ作品にその影響が見られるなど高い支持を
得ている。
 その続編の計画だが、実はオリジナルの製作当時にすでに
作品はシリーズの第1作と位置づけられていたのだそうで、
そのオリジナルの脚色を手掛けた脚本家のハンプトン・ファ
ンチャーはかなり早くから続編の構想を進めていたようだ。
そして計画は、2年前の2011年8月にワーナー傘下の製作プ
ロダクションのアルコンの主導で立ち上げられ、スコットが
再度監督を担当するという発表もされていた。
 ところがその計画はファンチャーの脚本に問題があったら
しく、ほどなくして頓挫。情報はそのまま聞こえなくなって
しまっていた。
 今回はその計画が再燃したもので、具体的な動きとしては
脚本のリライトに、テレビの『ヒーローズ』などを手掛ける
マイクル・グリーンとの交渉が報告され、ファンチャーの原
案に基づく新たな脚本が執筆されるとのことだ。因にファン
チャーの原案は1982年作の物語の数年後を舞台に、リック・
デッカードの新たな冒険が描かれているようだ。
 なお、オリジナルの舞台設定は2019年だったのだそうで、
今となってはかなりの近未来だが、現実にオリジナルの世界
観をどのように現実と摺り合わせるか、さらに続編の設定が
そこから数年後というのは、相当のさじ加減が必要になりそ
うだ。
 製作状況は、脚本家の名前が挙がっただけでその他は未定
だが、2年前の時はスコットの監督の他に、フォードとルト
ガー・ハウアーの出演も取りざたされていたもので、今後の
情報に目を光らせておくことにしたい。
        *         *
 お次はちょっと残念な報告で、4月1日付第190回で紹介
した“The Man from U.N.C.L.E.”の映画化から、トム・ク
ルーズの降板が発表された。
 その理由は明らかにされていないが、実はその直前に映画
シリーズの5作目となる“Mission: Impossible”の新作の
計画が発表されており、その作品が最優先で制作されるとの
ことでスケジュールの折り合いがつかなくなったようだ。
 ということで主演スターの降板となってしまったが、ワー
ナーでは直ちに代役の選考を進め、ワーナーでこの夏公開さ
れる“Man of Steel”でスーパーマン役を演じたヘンリー・
カヴィルの起用が検討されている。
 因にカヴィルは1983年生まれ、2005年には『007』の最
終候補にまで残っていたが、当時は若すぎるという理由で落
選したとのことで、テレビ放送の開始時にはイアン・フレミ
ングが企画に関わったという話もあったシリーズの主演には
問題なさそうだ。
 その他の配役では、5月1日付第192回での報告したアー
ミー・ハマーのイリア・クリアキン役と、さらに今年1月紹
介『アンナ・カレーニナ』に出ていたスウェーデン出身アリ
シア・ヴィカンダーの出演も紹介されているようだ。
 昨年1月紹介『シャーロック・ホームズ』などのガイ・リ
ッチーの監督で進められる作品の製作時期などは明らかにさ
れていないが、こちらも最優先で進められれば、クルーズの
主演作と同時期公開の可能性もある訳で、どちらもテレビシ
リーズが元のスパイシリーズの対決となれば、それも面白く
なりそうだ。
06月01日(土)
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