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On the Production
by 井口健二
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■初めての告白、オブリビオン、アイアン・フィスト、エンド・オブ・Wハウス、G.I.ジョー2、欲望のバージニア、マーヴェリックス、宿命
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。    ※
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『初めての告白』“Roman Polanski: A Film Memoir”
2009年に「生涯功労賞」受賞のために訪れたスイスで逮捕さ
れたことでも話題になったロマン・ポランスキー監督が、そ
の仮釈放中と、釈放後に撮影されたドキュメンタリー作品。
その逮捕の要件となった1977年の事件を始め、1969年8月に
起きたシャロン・テート事件など、監督の波乱に満ちた半生
が自身の口から赤裸々に語られる。
実は1969年の当時、僕はすでに試写会にも通っていて、日本
では同年9月に公開された映画『吸血鬼』は事件の数日前に
観ていた。その作品は吸血鬼伝説を見事に逆手にとり見事な
ホラー・コメディとしていたものだが、中でも監督自身が演
じた主人公の怪演ぶりと、撮影後に結婚した女優シャロン・
テートの美しさも際立つ作品だった。
このため、そんな余韻にも浸っていた時に発生した事件には
大きなショックを受けたことを記憶している。そんな事件を
ポランスキー監督自身が振り返るシーンは、監督の切実な思
いも如実に伝わってくる感じがした。
ただしそれは一部で、主眼は本作の背景にもある1977年の事
件となる。そこではこの事件が如何に不可解なものであった
か、特に事件を担当した判事の意味不明の行動などが克明に
綴られて行く。
それはまあ、本作のインタヴュアーで製作も担当しているア
ンドリュー・ブラウンズバーグが、1965年頃からの監督の親
友とのことで、その意向も反映されたものとは思われるが、
それにしても判事の行動の不可解さは何かが裏で動いていた
ことを想像させるものだ。
しかし作品はそこも深追いはせず、と言うか深追いしないこ
とでかえって観客に事件の不可解さを印象づける構成になっ
ている。その辺は巧みという感じもする作品だ。そしてそこ
には被害者の告白なども巧みに挿入されている。
そんなセンセーショナルな部分も含めながら、本作ではポラ
ンスキー監督の波乱の生涯が紹介される。そこにはパリで誕
生しながら3歳で父親の故郷ポーランドに戻り、ユダヤ人で
あることによるナチスの迫害や命運を分ける両親の話なども
登場する。
そして映画監督として認められて行く様子や、成功の中で起
きた悲劇などが綴られて行く。中では、特に初期の作品に対
する様々な思いなどが語られているのも興味深く感じられる
作品だった。

『オブリビオン』“Oblivion”
2010年12月紹介『トロン:レガシー』のジョセフ・コシンス
キー原作(グラフィック・ノヴェル)、製作、脚本、トム・
クルーズ主演による未来SF作品。
物語の時代設定は2077年。地球は数10年に亙る異星人の侵略
を受け、かろうじて撃退はしたものの、地球はもはや人類の
住める環境ではなかった。このため人類は土星の衛星タイタ
ンに移住を計画し、地球には彼らにエネルギーを供給するた
めのプラントのみが残されていた。
そして主人公は、人類のいない地球でプラントの警護の任に
就いている夫婦。彼らはドローンと呼ばれる無人機を操作し
て地球に残留する異星人による攻撃からプラントを守ってい
るのだ。そんな彼らは機密保持のため記憶を消去されていた
が、その任務もあと2週間で終了となっていた。
ところがその夫が、地球が平和だった頃の夢を見はじめる。
そこには妻とは違う女性の姿もあった。一方、地球外に向け
た信号が検知され、その発信場所に向かった夫は飛行物体の
墜落を目撃。そこには夢に出てくる女性が冷凍睡眠の状態で
乗せられていた。……
コシンスキー監督は、大学では建築学を学んでいたというこ
とで、物語の中では主人公の夫妻が暮らすタワー状の住居が

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04月30日(火)
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