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On the Production
by 井口健二
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■未来はボクらがつくるんだ、死霊のはらわた、絶叫学級、ゾンビ・オリンピック、フィギュアなあなた、桜姫、クロユリ団地
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。 ※
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『未来はボクらがつくるんだ! 22世紀のものがたり』
日本SF作家クラブ創立50周年の記念として、筆者も企画
に参加し製作されたプラネタリウム投影作品。作品はすでに
4月1日より鹿児島市立科学館で公開されているが、東京で
の試写が五反田文化センターにて行われた。
内容は、小松左京が1968年に発表し、1969年4月から1年間
NHK夕方の人形劇としても放送された『空中都市008−
アオゾラ市のものがたり』をモティーフとして、小松作品が
21世紀を想定していたのに対して、さらに22世紀を描くこと
を目標に企画された。
とは言っても、全体が約25分の番組で、さらに日本SF作家
クラブの歴史やメッセージなども盛り込んでいるから、正味
の物語は充分にという訳には行かない。実際に企画段階では
もっと色々なエピソードも話し合われたが、結局は骨子だけ
が残ったという感じだ。
でもまあ、空中都市や海上都市をさらに現実的に登場させた
り、宇宙エレベーターや月面へのシャトル便など、そこそこ
22世紀の未来は描けたかなと思っている。そこに子供たちの
冒険も織り込まれるので、お子様向けのSF入門編としては
まずまずかなと考えている。
それがプラネタリウムの全天周のスクリーンに描き出される
もので、そこはそれなりの迫力も持って描写されていた。ま
た番組中には、『空中都市008』の再版時に読者に向けて
語られた小松左京の肉声なども織り込まれている。
ストーリー原案は、新井素子、筆者、門倉純一、久美沙織、
鹿野司、東野司、片理誠、増田まもる。さらにキャラクター
原案に萩尾望都、メカニカルデザインを加藤直之、タイトル
ロゴをYOUCHANが担当しているから、これは日本SF作家ク
ラブの総力と言えるかな。
因に、物語に登場する主人公たちの曾々々祖母は、本作の
SF考証も担当した鹿野司の意見によると22世紀は平均寿命
が150歳の想定だそうで、舞台を世紀初頭から逆算すると、
企画会議に出席している自分たちがその立場にいる可能性も
ある。その事実は嬉しくもあり驚きもしたものだ。
なお公開は、鹿児島市立科学館での投影が6月30日まで行わ
れている他、品川区立五反田文化センターでは8月21日から
9月1日まで、その後は、仙台市天文台で9月7日から10月
26日まで毎週土曜日夜の回の投影が決まっているようだ。
『死霊のはらわた』“Evil Dead”
21年後の2002年に『スパイダーマン』を監督し、32年後には
今年2月紹介『オズ はじまりの戦い』を発表するサム・ラ
イミ監督が、1981年に監督デビュー作として若干23歳で完成
させた伝説のスプラッタームーヴィのリメイク。
物語は、古い山小屋を訪れた若い男女が、小屋の中に置かれ
た謎めいた古書を手にし、その一部を読み上げたことから、
太古の死霊を呼び覚ましてしまうというもの。その展開自体
は他にもありそうな話だが、そこから始まる惨劇の様相が尋
常ではなく展開されて行くものだ。
それで今回の宣伝文では、当時のスプラッターブームの起源
のようにも書かれているが、それは1974年公開の『悪魔のい
けにえ』や1980年公開の『13日の金曜日』が先行しているか
ら、そうとも言えない。ただし先行の2作がその後も続々と
作られたのに対して、本作はライミ監督自身による3作に止
まったから「伝説の」というのは正しい表現だろう。
そのリメイクが、ウルグアイの俊英フェデ・アルバレス監督
のハリウッドデビュー作として発表された。なお製作には、
ライミ監督とオリジナル版の主演者であるブルース・キャン
ベルが名を連ね、彼らがアルバレス監督の起用を決定したと
のことだ。
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04月20日(土)
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