ID:47635
On the Production
by 井口健二
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■監禁探偵、タニタ…食堂、17歳のエンディングN、私は王である、ライジングD、燃える仏像人間、きっとうまくいく、ソラから来た転校生
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。    ※
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『監禁探偵』
ゲームファンには1994年『かまいたちの夜』の作者としても
著名なミステリー作家・我孫子武丸が、2011年にシナリオを
手掛けた漫画原作の映画化。
とあるアパートに住む男が、向かいのマンションのベランダ
をカメラの望遠レンズ越しに覗いていると、突然その視野に
部屋に住む女性が襲われているシーンが目撃される。そこで
男はアパートを飛び出して、ベランダからその部屋に辿り着
くが、そこには女性の遺体が転がっていた。
しかも男がウロウロしている内に別の女性が現れる。そこで
男は、その女性を失神させて自分の部屋に連れ戻り、ベッド
に縛り付けて様子を伺うことにするのだが。目覚めた女性は
男に、6時間以内に真犯人を割り出さないと事件が発覚し、
男が犯人と疑われる状況を示唆する。
このため男は、自室の中から真犯人を見つけ出す推理を始め
なくてはならなくなる。こうして男は拉致した女性の協力も
得て、ネットなどの情報源を駆使して徐々に事件の真相へと
近付いて行くが…
発端は明らかに、1954年のヒッチコック監督作品でも有名な
ウィリアム・アイリッシュ原作『裏窓』で、原作では怪我で
動けない主人公がやむを得ず現場に向かうシチュエーション
なども巧みに取り入れて、全体がオマージュのような作品に
もなっている。
しかしそこからの物語は全く別個の展開を見せ、それは見事
な作品。しかもその間の主人公らの行動などにも、なかなか
細やかな工夫の施されて、その演出なども結構楽しめる作品
だった。
出演は、2010年2月紹介『RAILWAYS』などの三浦貴大と、連
続テレビ小説『純と愛』でヒロインを演じた夏菜。事実上の
密室劇で出演者もほぼこの2人だけという作品だが、特に夏
菜のヒロイン像は儲け役の感じがした。
監督は、舞台俳優の出身でCMやミュージッククリップなど
を手掛け、2004年『ボン・ボヤージュ!』という作品で監督
デビューしている及川拓郎。
また脚本を2008年1月紹介『Sweet Rain 死神の精度』や、
『RAILWAYS』も手掛けた小林弘利が担当。全1巻の原作だけ
では上映時間的に不足だった物語にプロットを追加して、脚
本を完成させているようだ。
超大作という作品ではないが、今年期待の若手の男優女優を
W主演に据えてなかなか面白い作品になっていた。

『体脂肪計タニタの社員食堂』
2010年の出版で、488万部を売り上げたというベストセラー
料理レシピ本の映画化。
映画化の企画は、2011年10月30日付「東京国際映画祭」で紹
介した『キツツキと雨』などの春藤忠温プロデューサーが立
案したもの。しかも春藤が株式会社タニタの広報担当に接触
すると、「企業イメージより、エンタテインメントにして欲
しい」と言われ、このような作品になったそうだ。
その物語は、ワンマン社長が病に倒れ、不甲斐ない2代目が
指揮を執ることになるが、会社は業績不振で新製品の体脂肪
計のキャンペーンの成功が命運を握っている。そこで自らも
肥満な2代目は社員食堂を1人の栄養士に任せ、社員のダイ
エットをキャンペーンの柱とするが…
ダイエットの必要条件や、困難を乗り越えるシーンなども描
かれ、ダイエットブームにも乗った物語が展開される。
脚本は放送作家の田中大祐が執筆し、監督を2010年2月紹介
『てぃだかんかん』などの李闘士男が担当。
出演は、2012年2月紹介『ももへの手紙』で声優を務めてい
た優香。実は彼女の映画主演デビュー作は観ていたが、この
ページで紹介しなかった。今回はその作品とは監督も違って
紹介できる作品になっている。
ただし、その作品と本作にも似たシーンがあって、この人は

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03月30日(土)
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