ID:47635
On the Production
by 井口健二
[459994hit]
■オース!バタヤン、スタンリーのお弁当箱、ジャックと天空の巨人、インポッシブル、容疑者X、DRAGON BALL Z、隣人、旅歌ダイアリー
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。 ※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
『オース!バタヤン』
昭和を代表する歌手の1人と言える田端義夫を描いたドキュ
メンタリー。
実は本作は内覧試写で観てしまい、手元に何も資料がない。
このためこの記事はうろ覚えの記憶だけで書かせてもらう。
映画は、平成18年に大阪鶴橋にある小学校の講堂で行われた
コンサートの模様を中心に描かれる。何故そんな場所なのか
というと、三重県出身の田端が子供の頃に引っ越して成長し
たのがその場所なのだそうだ。
その最初には司会者の浜村淳が登場して、全国に居るという
ご当地バタヤンの紹介や田端の履歴が語られ、大歌手である
ことが印象づけられる。そこに田端の登場となるのだが…。
1919年生まれ、撮影当時に87歳とは到底思えないその姿や歌
いっぷりには、正に圧倒されるものがあった。
そんなコンサートの様子を中心に、大ファンだと言う故立川
談志や、白木みのる、寺内タケシ、それに後援会長やレコー
ド会社のスタッフ、また夫人や長女なども登場して歌手田端
義夫の生涯が描かれて行く。
さらに田端本人へのインタヴューや談志も出ているテレビの
トーク番組の出演シーン。また極めて初期の頃から使ってい
るという電気ギターの紹介など、正に盛り沢山という感じの
作品。
その一方で、本人は片目が不自由なために逃れた兵役と戦場
慰問=戦争の話や、田端がラスヴェガスでジャックポットを
当てた話なども登場し、日本の昭和史そのものが綴られてい
るような作品にもなっている。
そしてデビュー曲から沖縄歌謡まで、田端の様々な代表曲が
歌われ、そこにはコンサートの映像と共に数々のテレビ番組
のアーカイブなども織り込まれて、故宮尾たか志や故玉置宏
の名調子が聞けるのも嬉しい作品になっていた。
また思い出の曲とされる「赤とんぼ」や「浜千鳥」を歌う途
中で、思わず声が詰まってしまう田端を周りが支えるシーン
や、客が争ってマイクを持つシーンなど感動的なシーンも数
多く描かれていた。
さらには大阪劇場(大劇)や、東京の日本劇場(日劇)の往時の
様子など、昭和の人間には懐かしさも満載の作品。
僕の父親は1916年の生まれで既に他界したが、幼い頃の苦労
話に始まって、これが日本の昭和を生きた人の歴史と言う感
じがした。それにしても既に90歳を超えている人の作品が、
最後に女の話で終わるのも凄いものだ。
『スタンリーのお弁当箱“स्टैनली का डब्बा”
インドの貧困を描いたドラマ作品。インド映画は最近長尺の
作品を何本か紹介したが、本作の上映時間は1時間36分だ。
物語は、小学校に通う少年スタンリーを主人公にしたもの。
彼の両親は出稼ぎに行ってしまい、現在は叔父さんの家にい
るらしいが、給食のない小学校で、彼にはお弁当を作ってく
れる人がいない。
そこでスタンリーは、お弁当の時間には家で食べると言って
教室を離れ、1人で水道の水を飲んでごまかしていたが、そ
れが級友に知れることになり、中には金持ちで豪華な弁当を
持って来る生徒もいて、彼らと一緒に食べることになる。
ところが、教師の中にも弁当を持ってこない奴がいて、その
教師は生徒の弁当を狙っていた。こうして教師とスタンリー
の弁当争奪戦が始まるが…。教師は弁当を持ってこない生徒
は登校禁止としてスタンリーを追い出す暴挙に出る。
僕が学生時代に観た最初のインド映画は、サタジット・レイ
監督の『大地のうた』で、農村と都会の違いは有れ同じよう
な貧困層の若者を描いた作品には、惹かれるものを感じた。
その上で、本作にもちゃんと歌と踊りがあるのには感心もし
[5]続きを読む
03月20日(水)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る